【韓国料理】ソルロンタン설렁탕~韓国庶民の食べ物、真っ白い牛肉のスープ~ - True Vine

【韓国料理】ソルロンタン설렁탕~韓国庶民の食べ物、真っ白い牛肉のスープ~

コボク貯水池とコボクジンのソルロンタン

秋は韓国が一番美しい季節


韓国は秋が一年で一番いい季節だと思います。旅行をするなら絶対に秋をお勧めします。
韓国の冬は厳しく長く、マイナス15度くらい行く日もあり、連日最高気温がマイナス圏なんてこともあるほどで、観光などで外を歩き回るのにはとても適しているとは言えません。また、韓国の夏は、ここ数年で日本同様かなり蒸し暑くなってきており、これまた外出には不向きです。個人的には以前は春もいいと思っていました。何と言っても草木が芽吹いて、枯れ木色だった世界が色を取り戻す季節です。ところがここ数年、韓国では春の大気汚染が深刻さを増しているのです。もともと春は黄砂と花粉がひどい時期でしたが、そこへPM10やPM2.5(韓国語でミセモンジ미세먼지、チョーミセモンジ초미세먼지といいます)までひどくなり、ニュースでもひどいときは野外活動を控えるよう呼びかけるまでになりました。敏感な人は鼻や目などに不調が現れます。

コスモス
それにひきかえ、秋は空が青く高くなり、空気が澄んで自然の色がはっきりとして、稲穂は黄金色に色づき、コスモスや曼殊沙華があちこちに咲き誇り、次第に秋が深くなると素晴らしい紅葉も見られます。秋こそが韓国を楽しむのに最高の季節と言えます。
そういうわけで少し足を延ばして秋を楽しみに行ってきました。

世宗市(세종시:セジョン市)のコボク貯水池で韓国の秋を楽しむ

行ったのは世宗市(세종시:セジョン市)のコボク貯水池(고복저수지)。世宗市は行政首都として大田市近郊の山村を開拓して整備されたとても新しい都市で、ソウルから首都機能の一部が移転され、大きな官公庁が町の中心に建っています。何もかもがまだ作ったばかりでとてもきれいな都市です。


コボク貯水池はその世宗市の中心部から車で少し郊外に行った山間にある貯水池で、周りにデッキの遊歩道が設置されていて、2キロほど山に囲まれた水辺を散策できるようになっています。デッキが平らなので、ベビーカーなどでも楽々いけます。

別に特別なものがあるわけではありませんが、自然が豊かで、心が落ち着くところでした。木々はまだ夏の名残で青々としていましたが、デッキから手が届きそうな岸辺には大きな栗の木があったりしてドングリや栗が山ほど実っていました。

コボク貯水池 鴨

水面にはかもが仲良く泳いでいましたし、水辺の茂みの中にはなんと野生のシカの一種のキバノロ(韓国語でコラニ:고라니といいます)も見ることができました。(キバノロは下の写真のところにいましたが、残念ながら写真を撮る前に逃げてしまいました。)

タkポックムタン(鶏の辛い炒め煮)とソルロンタン(牛の白いスープ)のお店「コボクジン」でソルロンタンを食べる


散策の後は当然ながらおいしい食事です。今回ご一緒した方が貯水池の近くの評判のいい店を探して予約しておいてくださいました。店の名前は「コボクジン고복真」、タkポックムタン(닭볶음탕:鶏の辛い炒め煮)とソルロンタン(설렁탕:牛の白いスープ)のお店です。
韓国の食堂はかなりメニューが特化されている専門店が多いです。とても大衆的な食べ物だったというソルロンタンも、最近ではソルロンタンの店に行かないと食べられません。逆に言えば、看板メニューを食べればまず間違いないので、店に入ってしまった後はメニュー選びにあまり迷う必要がありません。

このお店のメニューにはタクポックムタン、ソルロンタンの他に、ペクスk(백숙)という鶏をまるゆでした料理と、サムゲタン(삼계탕:蔘)などがありました。作るのに時間がかかる料理なので、電話でタクポックムタン、ソルロンタン、ペクスkを注文しておいたはずなのですが、なぜか行き違いがあったようで、ペクスkの代わりにサムゲタンが用意してありました。作り直すには時間が40分もかかるといわれ、そのままいただくことに。

タクポックムタンは真っ赤な見た目の通りかなり辛いので、おなかを壊すといけないと思い味見程度にして、私はソルロンタンをいただきました。ソルロンタンとは、牛の骨、肉、頭、内臓、足、膝や足首の軟骨などを一緒に煮込んで出した白濁したスープです。


作り方は、まず牛肉などの材料を水につけて血抜きしておきます。大きな鍋にいっぱい湯を沸かし、血抜きしておいた材料を入れてひと煮たちしたら一度ざるにあげます。もう一度湯を沸かし、そこに骨を入れて灰汁を取りながら煮込みます。生臭いにおいを消すためにショウガやネギやニンニク、酒なども一緒に煮込みます。次に残りの肉や内臓なども入れて汁が白くなるまでさらに煮込みます。白くなったら骨などは取り出し、肉や内臓は一度取り出して食べやすくスライスし、またスープに戻します。肉がほろほろするほど柔らかくなったらできあがりです。ゆでたそうめんやタンミョン(はるさめのようなもの)をいれ、小口切りに刻んだネギを少し飾り付けて、塩、胡椒を別々の小皿にもって、ごはんと一緒に出します。味付けは食べる人が自分の好みでします。ご飯はソルロンタンに入れて汁かけご飯のようにして食べる人が多いです。

ソルロンタンは普通、単品で食べるメニューですが、たいていは白菜キムチとカクトゥギと呼ばれるダイコンのキムチが付け合わせに一緒にでてきます。これらのキムチが初めて蓋つきのツボに入って大きいままの状態で出てきたときは驚きましたが、自分の食べる分だけトングで皿に取り出して、トングと料理鋏を使って食べやすい大きさに切って食べればOKです。


昔、初めて韓国旅行に来て、朝ご飯を食べられる店を友だちと探して歩きまわっていた時に入った小さなお店で食べたのがソルロンタンでした。その時は何のスープなのかもわからず、塩と胡椒もお店の人がいれて見せてくれて、見よう見まねで食べたのですが、それが思いがけずおいしくて忘れられず、たまに見かけると食べたくなる食べ物の一つでした。

コボクジンのソルロンタンもその時食べたソルロンタンと同じく、まったく臭みもなく、油っこくもなく、コクがあり、おいしかったです。刻んだナツメや高麗人参も入っていてとても体によさそうでした。入っているお肉も、内臓などではなく、ふつうの赤身の肉のことが多いので、グロテスクなのが苦手な私でも大丈夫です。参考に、コボクジンのソルロンタンは一人前9000ウォン(約900円)でした。

余談ですが、タクポックムタンには鶏の足まで入っていました~!鶏の足は韓国ではタッパルと呼んで足だけで食べるれっきとした料理もあるのですが、このように鍋に入って出てきたのは初めてだと一緒に行った韓国人の方がおっしゃっていました。

食べ終わるころ、店のおかみさんがメニューに行き違いがあったからとビニール袋にいっぱいの生の栗を持ってきてくれました。まだ拾ったばかりとのことでした。皆で分けて持ってかえって初物の栗を焼いておいしくいただきました。おかみさんの心遣いに幸せな気分になりました。


もし、どこかでソルロンタンのメニューを見かけたら、是非一度トライしてみてください。

コボクジン(고복진)
電話番号:044-867-8682
住所:세종 연서면 도신고복로 911-6(지번고복리 441-2)
営業時間(月曜日以外) 11:00 – 20:00
(月曜日) 11:00 – 14:00

コボクジンについてのより詳しい韓国語による情報や地図はこちら。

 

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