【韓国料理グルメ旅】これがお店?田舎の名店で鶏を丸ごと食べる
ペクスク(백숙)を食べに行った話
最近は韓流ドラマやKPOPの洗練されたイメージが強くなった韓国ですが、少し田舎に行けば、まだ昔と同じようなのどかな風景と暮らしが見られます。
本当にグルメな人は、そういう所にある隠れた名店をよく知っています。
うちと親しくしている長年の知り合いも、仕事の関係で田舎に行くことが多く、かなりの食通です。
先日彼が同僚から聞いたという鶏の丸茹で料理、「ペクスク(백숙)」のお店「クァンミョン農場」に連れて行ってくれました。
ペクスク(백숙)とは?
食べに行った話をする前に、「ペクスク(백숙)」について書いておきましょう。
「ペクスク(백숙)」は漢字で書くと「白熟」で、上に書いた通り、鶏をそのまま丸茹でにして長時間煮込んだシンプルな韓国料理です。
発音は便宜上「ペクスク」とカタカナで書きましたが、クの部分は子音しかないので実際は「ペkスk」です。
「ペクスク」と書くか「ペクスッ」と書くか、迷うところです。
サムゲタンとの違いは?
韓国料理で鶏を丸茹でにした料理といえば、サムゲタンがおなじみです。
違いは何でしょうか?
サムゲタンはヨンゲと呼ばれる小さな若鶏を一人で一羽丸ごと食べるのに対し、ペクスクは大きな鶏をみんなで一緒に食べます。
また、サムゲタンは鶏のおなかの中にもち米が詰めてあり、ナツメや高麗人参、栗、銀杏なども一緒に入っていますが、ペクスクはそういうものは入っておらずシンプルです。
ゆで汁ににんにくを入れてもち米で作ったお粥が代わりについてきます。
昔ながらの佇まいの店と鶏舎
一台の車に同乗し、青空の元、美しい新緑が左右に広がるなだらかな山道を、のどかな畑やグランピング施設を横目に、小川に沿って登っていきます。
田舎そのものですが、一応、大田広域市内です。
唐突についたというので見ると、古びたコンクリートの建物と納屋があって・・・看板は見当たらず、一般家屋のようなたたずまいです。
日本風の木枠にガラスをはめ込んだ引き戸の玄関に近づくと、ちょうど中から4,5人のおじさんたちが談笑しながら出てくるところでした。
食べ終わって帰るお客さんのようです。
その後ろから、店の主人らしき年配の男性も出てきたので、クァンミョン農場はここであっているか聞くと、あっているといいます。
改めて周囲を見回すと、左手の離れには軒下にマキがたくさん積み上げてあり、その横には昔ながらの汲み取り式のお手洗いがあり、その裏手には登り窯の跡地と畑がありました。
また、玄関の向かいの納屋らしき建物の一区画には、大きな茶色の鶏が30羽ほど平飼いにされていました。
餌がたくさん置いてあり、壁などは古びていて多少においはしますが、その割には汚い感じはしませんでした。
堂々と胸を張った鶏たちが首をキリッと持ち上げて悠々と歩き回っています。
聞くと、生後6か月ほどたっているそうです。
とさかの大きさから見たところ、一羽を除いてすべてメスのようでした。
ここで生まれ育ったわけではなく、育ってから仕入れてきているそうです。
ご主人の話では、本当はもっと大きいのも仕入れたかったのに仕入れられなかったとのこと。
ともかく、鶏たちは、ここでは料理されるのを待っているだけの状態ということ・・・。
私たちのためにもこの日この中から一羽が選ばれて絞められたということですね。
命をいただくということを意識させられ、否が応にも感謝の念がわいてきます。
ペクスクを食べる
知り合いがあらかじめ予約しておいてくれたので、料理はもう準備できているというので中に入りました。(もちろん予約は必須です。(笑))
中はテーブルが並んではいるものの、どう見てもおじいちゃんのおうちに遊びに来た感がぬぐえません。
個室に通されましたが、そこにも古いタンスなどがあって、普通のおうちっぽいです。
辛うじて、壁にメニューが貼ってあるのでお店だとわかります。
テーブルにはキムチやナムルと、カセットコンロにスープの入った鍋がセットされていました。
すこし離れたところにおかみさんが大きな器に入れた丸茹でした鶏をもってきて、そこに座って手袋をはめた手で鶏を解体しては皿に載せて出してくれます。
全部で約2皿分になりました。
肉は、各自小皿に取り、塩を少しつけて食べるだけのシンプルな食べ方です。
しかし、そのお味はというと、全く臭みはなくて、肉は締まって弾力があり、とてもおいしかったです。
おかみさんは、内蔵も特殊部位だよと言って別皿に出してくれました。
私は砂肝を食べたのですが、嫌な味は全くなく、噛み応えがあって、嫌いな私でもおいしく食べられました。
お腹で作られていた小さな卵も出てきました。もちろんそれも食べられます。
鶏のおいしさの秘訣はこだわりの餌
美味しさの理由は、平飼いということはもちろんですが、こだわりのエサにもあるようです。
トウモロコシは一切与えず、アワ、小豆、ソバ、あと一種類は何だったか忘れてしまいましたが、そういう良い餌を与えているそうです。
結構な高級食材を与えられている印象です。
なんでもトウモロコシを与えると、太りやすく臭みがある黄色い脂がでるのだとか。
ご主人が、テーブルの脇にきていろいろ説明してくれました。
なるほど、肉に全く臭みや脂っこさを感じなかったわけです。
最後に鶏の出汁が利いた柔らかいお味のおかゆをいただいて、フィニッシュ。
美味しかったです。ごちそうさまでした。
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