【世界の産地別コーヒー】エチオピア産コーヒー~モカ、イルガチェフェ
最近コーヒーについて書いていませんでしたが、コーヒーは大好きなのでもっと詳しく知りたくて日々勉強中です。これからはちょくちょくコーヒー豆の産地別特徴など調べたことをまとめていこうと思います。
記念すべき第一回目は今でもコーヒーノキが自生し、アラビカ種コーヒーの原種が発見されたとされるエチオピアから調べてみました。
エチオピア産コーヒーの基本データ
生産量:世界第五位(39万6千トン)
世界の生産量に占める割合:5%
主な種:アラビカ種
主な品種:原産のエアルーム系品種
収穫期:10~12月(11~2月とも?)
生産処理:ナチュラル(伝統的、大半)、ウォッシュト(政府主導で徐々に増加)
エチオピアのコーヒーの生産形態と特徴
エチオピアでは国土の多くが高地で広い地域でコーヒーが栽培されており、「農園」の形態は少なく、ガーデン、フォレスト、セミフォレスト、プランテーションとよばれます。フォレスト・コーヒーは自生するコーヒーノキを利用したものです。
生産者の大半が非常に小規模な自給的農家で、年に数か月間しか売りません。
コーヒーの種や品種がとても多様で具体的な品種が分かっていないものも多いです。そのため豆のサイズや形が一定でないことも多いです。
花系、ハーブ系、柑橘系などユニークでエレガントな風味が有名です。
エチオピア国民の約2割に当たる約1500万人がコーヒー産業に携わっています。
輸出品目の4割をコーヒーが占めており、国内消費も全生産量の4割に達します。
近年気候変動の影響でコーヒーノキの様々な野生原種が絶滅しているそうです。
カリオモンkali-omon
カリオモンはチオピアの伝統的なコーヒーのセレモニーで未婚の女性が身に着けるべき作法とされています。
ホストが生豆を煎ることから始まります。
「アボル」と呼ばれる1杯目は大地に感謝を込めて注がれ、その後客の器にそそぎわけられ、砂糖などが入れられます。「トーナ」と呼ばれる2杯目には塩が、「バラカ」と呼ばれる3杯目にはバターが入れられます。
セレモニーは2時間くらいで3杯それぞれに大地や家族に対する感謝が込められています。
コーヒーの格付け方法
エチオピアでのコーヒーの格付けは、300g中の欠点数によって行われます。
欠点数が1~3点⇒グレード1
欠点数が4~12点⇒グレード2
のように、8等級に分類され、グレード6以下は輸出されません。
コーヒーの主な生産地区
ハラー(ハラール)
モカが有名です。(モカという名称について詳しくはイエメンのページをご参照ください)エアルーム系の変わった品種で豆は小さく丸い形状です。
砂漠のように暑く乾燥したハラールのコーヒーは土を思わせるアロマが感じられます。最高評価の豆はブルーベリーなどのフルーティー系の味わいです。ほぼすべてがナチュラル処理です。
モカハラーの特徴:甘くスパイシーな独特の香りと豊かなコク、強めの酸味
焙煎度:中煎り
楽しみ方:ストレート、ブレンド、アイスコーヒー
イルガチェフェ(韓国ではイェガチェフ)
南部諸民族州に位置する小さなイルガチェフェ地区では、さわやかなレモンを思わせる風味と、花のようなアロマが特徴のエチオピア随一のコーヒーが生産されています。口当たりは軽く、バランスの取れた甘さがあります。
私がこのコーヒーの香りを初めて嗅いだ時はそのフローラルの香りの豊かさにコーヒーとは別の飲み物のような新境地を見た気がしました。是非一度試してみてください。
シダマ(シダモ)
柑橘系のフルーティな味わいや、ナッツとハーブを思わせる風味など、複雑な味わいのコーヒーが幅広く栽培されています。
リム、ジマ
ウォッシュトは「リム」、ナチュラルは「ジマ」の銘柄で輸出され、一般的にシダマのコーヒーよりマイルドですが多彩な味わいのコーヒーが採れます。
ウェレガ県レケンプティおよびジンビ
ウォッシュト、ナチュラルどちらも生産しています。この地域の選び抜かれたコーヒーはシダマやイルガチェフェのものと比べても、コク、甘さ、個性が強い傾向があります。
参考文献
『コーヒーの基礎知識バリスタテクニック・100のレシピCOFFEE BOOK』Anette Moldvaer著 誠文堂新光社
『知れば知るほどおいしく飲めるコーヒー辞典』藤田政雄著 日本文芸社
『極める愉しむ珈琲辞典』西東社
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