【韓国】疲労回復・免疫力強化にはサンファ茶 - True Vine

【韓国】疲労回復・免疫力強化にはサンファ茶

韓国伝統茶サンファ茶(雙和茶)で疲労回復、免疫力アップ

前回記事で書いたネジャン山(内蔵山)

その内蔵山の麓のジョンウプ(정읍)市という所には「サンファ茶通り(쌍화차거리/サンファチャコリ)」という通りがあって、サンファ茶という韓国伝統茶を専門に扱う伝統茶店がずらっと並んでいます。

韓国では風邪予防や免疫力強化、疲労回復、滋養強壮などによいとされるサンファ茶。

せっかく近くまで行ったので、そこでサンファ茶を飲んできました。

今日はサンファ茶通りのご紹介と、サンファ茶の効能や飲んだ感想などを書いてみようと思います。

 

「ジョンウプ サンファ茶通り」の場所

まずはサンファ茶通りのあるジョンウプ(정읍)市の場所を地図で確認します。

ジョンウプ(정읍)市は漢字で書くと井邑市で、韓国中西部、全州市と光州市の中間位に位置する人口11万人ほどの小さな都市です。

全羅北道の南端に位置し、市の南にあるネジャン山(内蔵山)が全羅南道との境界になっています。

 

サンファ茶通り

サンファ茶通りは、ネジャン山(内蔵山)の北の市内中心部の、井邑市庁舎からも歩いて行けるところにあります。

サンファ茶の茶碗をかたどったモニュメントや看板があり、すぐにわかりました。

「ジョンウプ サンファ茶通り」はハングルで「정읍 쌍화차거리」と書き、「ジョンウプ サンファチャコリ」と読みます。

通り自体は、小さな専門店が店の前をきれいな花の鉢植えなどで飾ってきれいな雰囲気ですが、通り全体から薬草を煮詰める独特な香りが漂っていて、見た目と香りのギャップが面白かったです。

サンファチャコリ

この写真の中央にある黒い店構えの2階建てのお店がジョンウプで最初にサンファ茶を始めた元祖ともいえるお店「モドゥラン サンファタン(모두랑 쌍화탕)」です。

店の壁に1980年創業で30年の伝統と書かれていますが、もう40年ですね。書き換えないとね。

 

伝統茶店「チョモ(草母)」

「モドゥラン」にも入ってみたかったのですが、今回は連れが知り合いに紹介されたという「チョモ(草母)」というお店に入りました。

チョモ

お店の前の花がとてもきれいでした。

店の中

店の中にもサボテンや多肉植物が飾ってありました。

店はちょっと雑然としていてお世辞にも広いとは言えないですが、ほぼ満席で、注文したサンファ茶が出てくるまでかなり待ちました。

通路は狭いですがテーブルごとについたてが使えるように置いてあり、プライバシーも守れるよう心配りが感じられます。

サンファ茶(雙和茶)とは

サンファ茶

サンファ茶は漢字では雙和茶(双和茶)、ハングルでは쌍화차と書き、サンファチャと読みます。

10~30種類もの生薬などを長時間煮詰めて作る韓方茶で黒い色をしています。

 

黒い色はサンファ茶の主原料となる熟地黄(じゅくじおう)のせいです。

9蒸9曝熟地黄は、地黄という草花の根を9回も蒸しては乾かしを繰り返したもので、ここジョンウプ市の特産品です。

だからサンファ茶通りができたのかなと思います。

 

おかみさんに尋ねたところ、チョモでは30種類もの生薬をほぼ1日中煮詰めて作っているそうです。

注文したサンファ茶にはトッピングとしてナツメや松の実、クルミ、栗などの木の実がふんだんに入っていました。

昔はタバンと呼ばれる昔ながらの喫茶店で生卵の黄身を入れたサンファ茶を出したりしていたそうです。

 

サンファ茶という名前は、漢字で雙和茶または双和茶と書き、「氣(陽)」と「血(陰)」の双方を調和させるという陰陽五行思想から来た名前です。

サンファ茶の歴史は古く、中国の宋の太宗の時代(900年代末期)、皇帝の命を受けて作られた医書に初めて「双和湯(サンファタン)」という表記が現れています。

その後も、様々な医書で虚弱体質改善や、疲労回復のための処方として取り上げられています。

サンファ茶とサンファ湯は、入っている材料は似通っていますが、韓国ではサンファ茶は食品、サンファ湯は医薬品に分類されています。

ですから韓医院で処方されるものや薬局でしか売っていないものは「双和湯(サンファタン)」となります。

 

サンファ茶の効能

韓国ではサンファ茶は風邪に効くと一般的には知られていますが、風邪薬ではありません。

むしろひどい発熱などの症状や扁桃腺炎を伴っている人が飲むと悪化することもあるそうなので注意が必要です。

サンファ茶(サンファ湯)の主な効能は、

  • 疲労回復
  • 風邪による悪寒、筋肉痛症状緩和
  • 脱毛予防
  • 肝機能改善
  • 筋肉痛治療
  • 滋養強壮
  • こむら返り予防、緩和
  • 血液循環促進
  • 気力回復
  • 風邪予防
  • ストレス緩和
  • 体を温める
  • 免疫力強化
  • 伝染病予防

などです。

昔、王妃が王と同衾した朝には必ず召し上がっていたのだとか。それくらい気力回復にいいのですね。

他にも、大病を患った後の回復の助けにもよく飲まれたそうです。

筋肉痛やこむら返りにもよく、スポーツ選手にも、また、冷え性の方や、冷や汗をかく子供にもいいそうです。

サンファ茶材料

入っている生薬が、チョモの店頭に写真付きで紹介されていました。

わかる範囲で日本語に翻訳してみますと、

9蒸9曝の熟地黄(ジュクジオウ)・芍薬(シャクヤク)・川芎(センキュウ)・葛根(カッコン)・枸杞子(クコシ)・当帰(トウキ)・乾姜(カンキョウ)・薄荷(ハッカ)・黄耆(オウギ)・陳皮(チンピ)・桂皮(ケイヒ)・竜眼肉(リュガンニク)・山薬(サンヤク)・大棗(タイソウ)・山査(サンサ)・藿香(カッコウ)・ケンポナシ・五加皮(ゴカヒ)・麦芽・桑・甘草(カンゾウ)・杜仲(トチュウ)

こんな感じです。

 

チョモのサンファ茶

サンファ茶ともち

チョモのサンファ茶。8000ウォン。

チョモでは一人1客の伝統茶メニューを注文すると、このような伝統的なお菓子が付いてきます。

サンファ茶通りのほかのお店も多少の差はあっても同じようなサービスをしているそうです。

白いのはカレトクといううるち米で作ったお餅を切って焼いたもの、チョチョンと言う手前の蜜のようなものにつけて食べます。奥の茶色いせんべいのようなものはヌルンジという、ご飯を焦がして作ったなんの味もつけず素材の味だけで食べる素朴なお菓子です。ピンクのお茶はグレープフルーツジュースです。(お茶を頼んでジュースがついてきたのは初めてです^^;)

そして、一番手前がメインのサンファ茶です。

大きめの石の器に入っていて、重いし熱いしで持ち上げて飲むことは不可能です(笑)。

スプーンですくって食べるように飲みます。

お味は少し苦いので、ついてくる蜜を自分で入れて飲むようになっています。

とても濃いお味で、普通のお茶のようにがぶがぶ飲むのには適していません。

スプーンで少しずつ飲みながら、入っている栗や松の実やクルミやナツメを食べながら、お菓子もつまみながら、ゆっくり飲むと、苦みとか濃厚な味はあまり気にならずおいしく飲めました。

一般的に苦くて飲みにくいという話も聞きますが、甘草や蜜のおかげでほんのり甘く、ナッツ好きの私にはとてもおいしくて体にもいい最高のお茶でした。

飲んでいると体がホカホカとあたたまってきます。

これで今年の冬も元気に越せそうです。

 

 

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