【韓国大田市グルメ旅】平壌冷麺の老舗名店『スッコルウォンネンミョン:숯골원냉면』
前回の記事で冷麺の種類の代表的なものを紹介しましたが、韓国の地方都市大田広域市に、たくさんのグルメ番組や新聞にも取り上げられたことのある、4代続く平壌冷麺のお店があるので行ってきました。
『スッコルウォンネンミョン:숯골원냉면』
ソウルから南方へ高速バスなら約2時間、高速鉄道KTXなら約1時間移動したところにある大田広域市(テジョンクァンヨクシ:대전광역시)。ここは内陸の交通の要所として知られています。大田市は、中区(チュング:중구)、西区(ソグ:서구)、大徳区(テドック:대덕구)、儒城区(ユソング:유성구)、という行政区に分けられています。儒城区には、儒城温泉(ユソンオンチョン:유성온천)という温泉もあり、過去には科学エキスポが開かれた、企業の研究所が集まる科学研究都市でもあります。韓国を代表する有名理系大学のKAISTも儒城区にあります。
この儒城区に、『スッコルウォンネンミョン:숯골원냉면』という店名の冷麺(ネンミョン:냉면)の専門店があります。
このお店は、平壌で30年余り営業し、朝鮮戦争の時に平壌から避難してきた3代目主人パク・クンソン박근성氏が1954年にこの地に創業したお店です。
現在の主人は次男の4代目パク・ヨンフン박영흥氏で、5代目も修行中なんだとか。おかみさんの弁では韓国で最も完璧なピョンヤン式の冷麺を提供する店を自負しているそうです。そば粉をベースとした歯切れのよい麺と、トンチミと呼ばれる大根の水キムチの汁と鶏ベースのだし汁を合わせて作ったスープが有名です。今でも雉冷麺を食べられる珍しいお店でもあります。
店の外観とヨッチャンス
外観はこんな感じです。入り口にはヨッ엿と呼ばれる伝統のヌガーのような飴を売るヨッチャンス엿장수と呼ばれる人がいます。
登山口や人が集まる場所でよく見かけるヨッチャンスは、たいてい陽気な音楽をかけて、チンドン屋のような派手な衣装をまとって、音楽に合わせて大きなはさみでカチャカチャとリズムをとっているのが印象的です。ヨッははさみで四角く一口サイズに切って、黄な粉をまぶしてパックや袋に入れてくれますが、たいていすぐに隣のヨッとくっついてしまい、黄な粉もこぼれてあまり食べやすいものではありません。歯にもくっつきます。でもカボチャの素朴な甘さがおいしいのです・・・。機会があればぜひ一度お試しを。
店内の様子
店内には、椅子席とオンドルの座席があります。
あちこちに歴史を感じさせる写真や新聞の切り抜き、テレビ番組で紹介された時の写真で作ったパネルや、有名人が来店した時のサインなどが張られていました。
メニュー
メニューは以下の通りです。
(写真左上より)
地鶏のペクスク(一羽まるごと茹でたもの)35,000ウォン
平壌式王マンドゥ(大きな豆腐入り蒸し餃子のようなもの4つ) 6,000ウォン
ムル冷麺 8,000ウォン
ビビン冷麺 8,000ウォン
コッペギ冷麺(大盛り冷麺) 10,000ウォン
キジ冷麺 13,000ウォン
キジ温麺 13,000ウォン
温麺 8,000ウォン
替え玉 4,000ウォン
冬季限定メニュー
キジのマンドゥクク 13,000ウォン
マンドゥクク 8,000ウォン
平壌式のムル冷麺
ピョンヤンネンミョンと言えば、ムルネンミョンです。その上、辛いものはもともと苦手なので、迷わずにムルネンミョンを注文しました。(キジ入りのクォンネンミョンというのにも惹かれましたが、ちょっと高いので今回は鶏のムルネンミョンで。)
出てきたのがこちらです。
うずたかく巻き上げられたそば粉の麺の上に、白いダイコンのキムチときゅうりと鶏肉、そして錦糸卵が乗っていました。付け合わせは、よく発酵が進んだ白菜キムチ、イグンジと、ダイコンのキムチです。これらのキムチはお変わり自由で、たくさん入った容器からセルフで自分の好きなだけ取り分けて食べられます。
各テーブルには、酢とマスタードソースの入った容器が備え付けられています。これでムルネンミョンの味を自分好みの味に調節することができます。
私の場合は出されたそのままでも十分おいしかったのでそのまま食べて、後で味に飽きたときに少し足してみました。
スープの味は暑い夏に食べやすく冷たくさっぱりとした酸味と甘味が調和して、なのにチキンスープのせいなのかトンチミスープのせいなのかわかりませんがまろやかなコクがあってとてもおいしかったです。麺もうわさ通りはさみを使う必要はなく、蕎麦らしい舌触りがあっさりして美味しかったです。
全く少しも辛くないので、小さなお子さんでも安心して食べられます。お客さんも赤ちゃん連れからお年寄りまでいろいろな年代の人がいました。
店舗情報
店名:『スッコルウォンネンミョン:숯골원냉면』
所在地: 136−2 Sinseong-dong, Yuseong-gu, Daejeon
電話: 042-861-3287、3288
営業時間:午前11時~午後9時(年中無休)
地図
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