【おすすめの本】『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾の感想~天の意思 - True Vine

【おすすめの本】『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾の感想~天の意思

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)[本/雑誌] (文庫) / 東野圭吾/〔著〕

 

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(東野圭吾)を読んで




読めることに感謝

もう、今さら感がぬぐえませんが、ずっと読んでみたかった東野圭吾さん著の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を最近やっとやっと読むことができました!

韓国でももうずいぶん前にすごく話題になっていて、書店に行くとベストセラーのところに並んでいるのをよく見かけました。読みたいなーと気になりながら、でも、日本語で読みたくてずっと我慢していたのです。今回改めて本を読み終わって思いました。縦書きの日本語で書かれた紙の書籍はやっぱりいいです。

日本に住んでいたころは、いつでも日本語の紙の書籍が読める環境にあるということが、どんなにありがたく恵まれていることか、まったくわかっていませんでした。そのころにもっと本を読んでおけばよかったと思います。読めることに感謝です。

 

もしも過去から手紙が届いたら

さて、この本は、過去とつながっている不思議な雑貨屋で悩み相談をする話でした。過去から届く手紙、未来から届く手紙、そんなことが現実にあったらと考えただけでワクワクします。

その設定だけでも面白く、すぐに物語に引き込まれるのですが、本書はそれにとどまらず相談してくる人たちの悩みを通して、いろいろな人の生きざまも語られていきます。

 

人生は選択だ

思えば人生は選択の連続です。

小さな選択から大きな選択まで、毎日毎日何か一つのことを選択するたびに、その他の数多の選択肢を切り捨てては進んでいっているのです。

簡単に選択できることもあれば、悩んでも悩んでも答えが出ないような選択もあるでしょう。せめて後で後悔しないためにも、真剣に向き合って悩んで悩んだ挙句に結論を出して進んでいくしか方法はありません。

そんな時誰かに相談したいと思うのは自然なことでしょう。

だから登場人物たちはナミヤ雑貨店に相談の手紙を出すのです。

悩み相談を受ける人に求められる態度とは

さて、人に相談されたとき、一番大切なこととはいったい何なのでしょう。

まず、真剣に聞いてあげることは大前提です。

本書で未来の相談者となる3人組も、犯罪を犯すような人物たちであるにもかかわらず、悩み相談に真剣に向き合います。しかし、書いた数々の返事の内容は、悩みに寄り添い共感するのではなく、歯に衣着せぬとてもはっきりとした、一貫性のあるブレのないものでした。それは、相談者のその後経験する未来をすでに知っているという立場と、恵まれない生い立ちのなせる業でもありました。でもそれが相談者の心に響きます。腹を立てて本音を出すうちに自分の本当の気持ちに気づいたりもします。

相談の基本は共感することだと説かれることが今まで多かったわたしには、これはとても新鮮でした。

天の意思ってきっとある

本書では語り手がどんどん変わっていきます。最初のうちはつながりが分からなくてもどかしかったのですが、読み進めるに従って伏線が一つずづつながっていくという面白さも味わわせてくれる本でした。

たくさんの全く関係がなさそうだった人物が絡み合っていき、最後には一つの方向に物事が動くように話が進んでいきます。

何人もの人物の、時代を超えた悩みの一つ一つに、ナミヤ雑貨店での相談を通して選択が行われていき、それが一つに収束していく。それはまるで、神様の采配を見るような気分でした。物語の中では「空の上からみんなの幸せを祈っている」と言い残した女性がその役を担っているようですが、私の考えは少し違います。この世界を作った神様は、今もどこかで生きてこの世界を見下ろしていて、時を超え時代を超えて飛び回り、あちらをちょいちょいこちらをちょいと細工しては、思うままの結末に導いている、そんな感覚でした。

人が神に祈る理由

だから人は祈るのですね。神様がきいていてくれると信じているから。この世と私たちを作った神様がこの世で起こるすべてのことに采配を振ってくれると信じているから。

誰に祈るかは大事

ここで終わろうと思ったのですが、老婆心ながら補足です。

気づいてもらえたかどうかわかりませんが、上で私はわざと神様に修飾語を付けました。

お釈迦様に祈ってもいいのでは?と昔は私も思っていました。でもご存知の通りお釈迦様はもともとはガウタマ・シッダールタという名前の人、人間でした。その人間は、だれが作ったのですか?神様ですよね。

覚えておいてください。聖書の初めにはっきりと天と地を作ったと書かれているその神様こそお祈りして効果がある神様ですよ!

 





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