こんな日本に誰がした?暮らしにくくなり魅力を失っていく日本 - True Vine

こんな日本に誰がした?暮らしにくくなり魅力を失っていく日本

韓国に移住して以来長い間ずっと、再び日本に帰って住むことが大きな目標でした。

日本の文化も食も風土も何もかも大好きで、若いころはいつも(それに比べて韓国はどうして…)と思っていました。

でも、近年徐々に日本が「帰りたい国」ではなくなってきたということにはっきり気が付いて、とても悲しく思っています。

今も日本の文化や食や風土が好きなことには変わりはないのですが…。

こんな心境の変化をもたらした理由は何なのか、考えてみました。

日本が帰りたい国ではなくなっていった理由

理由1:政府が信頼できない

日本政府が信頼できないというのは3・11で原発事故が起こって以来感じていたことではありますが、昨年からのコロナ禍でそれがよりはっきりしました。

あまりにも不誠実で不平等で非科学的で無責任な日本政府の対応は、ひどすぎて怒りがこみ上げるレベルだし、オリンピック開催にこだわり続ける責任回避と保身と利権ばかりで人命軽視の態度は本当に心の底から我慢がなりません。

さざ波

内閣官房参与を務める高橋洋一嘉悦大教授のこのツイートも現政権の人命軽視を物語っていると思います。

あんな政府でなかったら生きられた命がいくつあったのだろうと思うと残念で仕方がないです。

5月5日時点の大阪の100万人当たりの死亡率が19.6人で、あれほど惨状が世界的に心配されているインドの15.5人を上回っているというニュースは衝撃的です。

(参考)大阪の100万人あたりの新規死亡者数がインドを上回る 「まるで姨捨山」とまらない医療崩壊(AERAdot.)

これだけ見ても、今の日本は命の危険が感じられるのであまり帰りたくはならないです。

 

理由2:女性の地位が低く、人権意識が薄い

家事や育児だけでなく介護まで、なぜか女性の仕事であるかのように見なされる風潮がある日本。

大卒、院卒の女性より、中卒の男性のほうが高所得という話も耳にします。

世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が3月に発表した「ジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)」では日本の男女不平等度のランキングは世界156カ国中120位という低さでした。

これは先進国の中で最低レベルで、アジア諸国の中でも韓国(102位)や中国(107位)、ASEAN諸国よりも低い結果です。

(参考:内閣府男女共同参画局

 

医学部入試における女性差別的な点数操作が発覚した時は怒りがこみ上げました。

おかしいことにおかしいと声を上げた伊藤詩織さんが逆にバッシングを受けたことも解せないし悲しいです。

どれも女性である私にはうれしくないことばかりです。

 

人権軽視や差別は外国人に対しても同様です。

 

日本の入管の闇を知った時はぞっとしました。

日本での在留資格がないからと言って、何年も長期にわたって刑務所のような収容施設に閉じ込めて、難民申請もほとんど通さず、日本に住む家族とも引き裂いて、病気になっても外部病院での治療も受けさせてもらえないで病死した人や、ハンガーストライキをして餓死した人、自殺した人も複数いるのに、長い間ほとんど問題にされてきませんでした。

上限のない無期限の収容や、司法チェックを経ない収容はれっきとした国際法違反です。日本人の一人として恥ずかしいです。

そのうえ最近では入管法改正案で「送還忌避罪」(退去命令拒否罪)「仮放免逃亡罪」などの罰則を新設して、帰れない事情がある人たちを強制送還させるような改悪も行おうとしています。

与党は明日5/12の13:00からの審議での採決を目指しています。

これを問題だと思う人たちの声を政府に届けようとキャンペーンで署名募集されているのを見つけました。↓

難民を「犯罪者」にする「入管法改定案」の廃案を求めます!

入管法改悪に反対する声を届けたく、私も賛同しました。

日本政府与党は本当に非人道的です。

 

(追記)

5月18日、衆議院法務委員会で審議されていた「入管法改正案」の採決が見送りとなり、今国会では事実上の廃案となったと伝えられました。

とりあえずは朗報ですが、問題が解決されたわけではありませんね…。

参考にしたYahooニュース記事:「入管法改正案」廃案でも収容所は悲惨。「コロナになって10kgやせた」難民の涙

 

理由3:賃金が安い

日本に帰ったら、日本で働いて収入を得ていくことになるわけですが、ぶっちゃけた話、韓国で得ていた所得や待遇と同程度の正規雇用の職場を見つけることができませんでした…。(悲)

日本のお給料、安くないですか?

比較しやすいように、日韓の大卒初任給を調べてみました。

韓国は企業規模によって格差が大きいので、昨年の韓国の大卒の初任給(年収)を、大企業、中小企業、公共機関/公企業に分けて調査した記事を見てみました。

デジタル朝鮮日報の2020.2.25の記事によると、2020年の韓国の大卒の初任給は、大企業の場合が4118万ウォン、中小企業の場合が2840万ウォン、公共機関/公企業の場合が3681万ウォンとなっています。(1000ウォン=約100円)

一方の日本はどうなっているのでしょう。厚生労働省のサイトに令和元年(2019年。現在の最新データ)の企業規模別にみた初任給が出ていました。公務員が含まれていませんが見てみます。

それによると日本の場合、大学卒では、男性の初任給は大企業(常用労働者1,000人以上)で215.9千円、中企業(同100~999人)で211.1千円、小企業(同10~99人)で206.0千円、女性の初任給は大企業で209.7千円、中企業で205.2千円、小企業で201.8千円となっていると書かれています。

思った通り、日本のほうが安いです。大企業は差が顕著です。

ちなみに、大卒の初任給はアメリカでは600万円台、ドイツでは500万円台だと中田敦彦さんがYouTubeでおっしゃっていました。すごい!(@_@)

 

最近の日本は物価が世界に比べて安いということをちらほら耳にされた方も多いと思います。

それは賃金も同様で、この20年間の韓国の最低賃金の上昇速度を見ればいかに日本が停滞しているかがわかると思います。

韓国に来てしてしばらくしてからアルバイトでもしてみようかと探したとき、時給が2000ウォン台(200円台!!)だったことに衝撃を受け(日本は当時も700円ほどでした)、バイトはあきらめた記憶がありますが、今では約870円ほどの時給ですからなんと2000年から5.45倍になった計算で、日本の地方都市よりも高いです。

その分、物価も上昇しています。例えば20年前は1000ウォン(当時で70円くらい)で買えたキンパプは、今では4000ウォン(400円)を超えています。なので、韓国内での生活は楽になったわけではないのですが、日本に行くと、服やお菓子がとても安いことに驚きます。

ただし、電気代、水道代などの公共料金や、役所で戸籍謄本や住民票などを発行してもらうときやパスポートを作るときなどにとられるお金は日本のほうが断然高いのは意外と知られていないのではないでしょうか。

菅首相は携帯電話料金を携帯電話会社に身を切らせる形で値下げさせましたが、それよりまずは公共料金や公文書発行手数料などを値下げするべきだと思います。

 

理由4:政治の話や宗教の話、まじめな話が嫌がられる風潮がある

日本では一部の人を除いて、生きることにかかわる深い話ができないということが私にとってストレスになっていることを、韓国に来てから自覚しました。

芸能人の浮気の話とか、心底どうでもいいのに、なぜかそういう話が好まれて、政治や宗教の話を持ち出すと煙たがられる日本。

でも有権者が政治に目を光らせていなければ、権力を握った政治家はどんどん腐敗していきます。

国民一人一人が収めた血税が湯水のように癒着した利権団体に注がれ、政治家の懐ばかりが温かくなっても気づくこともできません。

こんな腹の立つことをどうして見過ごして平気なのか私にはわかりません。

最近はコロナ禍とオリンピックでこの風潮も少しは変わったのでしょうか?

だったら怪我の功名ですね…。

宗教の話も嫌がられますが、人間はいつか死ぬのに、死から目をそらしたままで、みんな不安ではないのかなと不思議に思います。まあこれは日本だけの話ではないかもしれませんけれど。

理由5:融通が利かない

あくまで私が感じる印象なのですが、日本は規則やモラルや常識などがガッチガチになっていて、融通が利かない場合が多いと感じます。

特に学校やお役所でこの傾向が顕著です。

学校の校則はその最たるもので、靴下の色は黒や白だけとか、下着の色とか(先生がチェックするんですか?!)、茶髪の子に地毛証明書を要求したりだとか黒く染めさせたなんて話も聞きました。

これらも立派な人権侵害ですが、それが子供のためであり教育だと思ってらっしゃる先生方が多数…。頭が痛くなります。

 

韓国は結構フレキシブルで融通が利く社会なので、それに慣れきってしまった私は日本のそんな雰囲気はとても堅苦しく感じてしまいます。

日本は同調圧力も強くて、それもかなり息苦しいです。

もっと生き生きと自由にできて、出る杭が打たれず伸びられるような社会だったらいいと思うのですが…。

 

客観的データから見る日本の住みやすさ

ここまで私の個人的な感覚をもとに書いてきましたが、実はそれを裏付けるようなデータもたくさんあります。

例えば最近では

日本は“納得”のワースト6位。「外国人が住みたい、働きたい国」ランキング【2021年版】

という記事が6月3日にありました。

世界59カ国・地域に住む、174カ国からの外国人居住者1万2420人を対象にした調査で、「生活の質」「定着の容易さ」「仕事環境」「家計の状況」「生活費」という5つの指数からランク付けされています。1位は3年連続で台湾ですが、日本はなんと59か国中54位になっています。

順位を引き下げている大きな要因は、「定着の容易さ」が世界58位(ワースト2位)、「仕事環境」も世界50位(ワースト10位)、「家計の状況」が、世界54位(ワースト6位)であること、などです。一方で好評価を得ているのは「旅行・交通運輸」の世界10位、「安全・治安」の世界11位、「環境の質」の世界12位、です。

ちなみに韓国は総合で世界47位です。それほどいい成績ではありませんが、日本よりはましですね。

(インターネーションズ(InterNations)の元記事:The Best and Worst Destinations for Living and Working Abroad

 

最後に

ここまで日本に否定的なことばかり書いてきましたが、日本を愛すればこそ、良くなってほしいとの思いからですので気分を害さないでもらえると嬉しいです。

今日は書きませんが、もちろん日本にはまだまだいいところはたくさん残っています。

でも停滞して過去にしがみついていてはだめだと思うのです。世界はどんどん変わっていっているのですから。

コロナ禍は大変な災いではありますが、なかなか変化できなかった日本に変化を促す契機として働いてくれそうなので、その点は期待しています。

これを機に、日本がまた心豊かで経済力もある魅力的な国になれることを願います。

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