猫の闘病記録ー猫の腎臓病その症状・検査・家庭での処置 - True Vine

猫の闘病記録ー猫の腎臓病その症状・検査・家庭での処置

腎不全の記録

うちの猫はペルシアンチンチラの男の子です。

5年前にも尿路結石で入院しましたが、その後は元気に過ごしていました。

それが、数か月前急に様子が明らかにおかしくなり、病院に行ったら腎不全との診断を受けました。

まさに青天の霹靂。

ずっと尿路結石の猫用の療養食キャットフードを食べさせていたのに!

備忘録を兼ねて世のにゃんこのご主人様の参考にもなるかと思い書き記しておきます。

腎不全の兆候

うちの猫はもともと食が細い方で小柄です。

しかし、最近すこし骨ばってきたようでした。

そして、口が臭いなあと思うようになってだいぶたちました。

それでも歯が汚いのか、餌のせいなのか、くらいに思っていました。

また、もうずいぶん以前から背中の、特にしっぽの付け根当たりの毛ががさがさとして脂っぽかったのですが、猫とはそういうものかと勝手に思って気にも留めませんでした。

尿も便も毎日排泄していましたが、便はいつもからからに乾いていました。

無知な私は、これもそういうものかと思っていました。

後から知ったのですが、これらはすべて腎臓病の兆候でした。

 

猫に明らかに異変が起こったとわかった時の事

ある土曜日の朝、トイレで物音がして、みると🐈が足拭きマットの上でうずくまっていました。

どうやらどこかから落っこちたようです。

いつもなら出て行けと促すとすぐに出て行くのに、なぜか微動だにしません。

抱っこして移動させようとしたらうなり声をあげました。

うちの猫はおとなしく、こんな事は今までなかったのでここで異常に気づきました。

でもこの時は、どこか打ち身でいたいのかな?くらいに思っていました。

 

その後でかけてしまったのですが、夜に帰宅すると、小さい部屋でずっとうずくまってまた動こうとしません

それでもトイレは自力で行っていたようでした。

口が臭かったので水を口元まで持って行ってあげたら、すごくいっぱい飲みましたが、カリカリ餌は少しも食べません

次の日、液状おやつのちゅーるを買ってきてあげたら、それは1本全部食べました。

しかし、夜、吐いて尿も粗相をしてしまいました。

 

翌日の月曜日、また吐きました。

吐いたのはほとんど水でした。

猫はよく吐く生き物ですが、吐くのは普通はヘアボールです。毛づくろいをするときに飲んでしまった自分の毛玉を吐き出すのです。

しかし、このように多量の水を吐くのは初めてです。

一応自分で歩いて移動していますが、机の下に隠れて下を向いてうずくまっています。

食欲がないようなので、娘がまた液状おやつのちゅーるをあげようとしましたが、昨日はよく食べたのに今日は一口も一滴も食べようとしません。

さすがにこれはいけないと思い、歩いて行けるところで新しくできた動物病院をネットで探し出して病院に連れて行くことにしました。

しかし、確認の電話を入れたらなんと院長がセミナーで不在ということで受け付けてもらえませんでした。

このころには歩き方がふらふらとしてきていました。

 

動物病院で診察を受ける

翌火曜日の朝が来るのを待って、近所の動物病院に連れて行きました。

院長先生がお尻の毛を剃って、まず体温を測ってくれました。

通常、猫の体温は38.5度位あるのだそうです。

ところが、うちの猫はたったの33.8度しかなかったのです。

院長先生からは、ほとんど死ぬ前の体温だと言われてしまい、びっくり仰天。

一刻も早く血液検査が必要だということで、すぐに検査結果が出せる遠方の病院を紹介してくれました。

車もキャリアもなかったので仕方なく夫に連絡、仕事を早退して迎えに来てもらい、直接そちらの病院へ行きました。

そちらの病院では、血液検査を受け、レントゲンを何枚か撮り、おなかの毛をそってエコーで内蔵の様子を見て、腎不全という診断を受けました。

原因はわかりませんが、疑わしいことはありました。

5年前に尿路結石を患ったときに医者に「これからはずっとユリナリーケア用の療養食を食べさせるように」と言われました。その為、お値段はお高いけれど猫が健康に過ごせるならと思って、頑張ってずっとそれだけを食べさせ続けてきました。ところが、その療養食が原因かもしれないとお医者さんに言われたのです。愕然としました。(以前かかった病院とは別の病院で受診しました。)

なんでも、うちで与えていたロイヤルカナンのユリナリーケア療養食はかなり塩分が高いのだそうです。

注射をしてもらい、点滴を3,4日間して数値がどれくらい改善するのか、慢性なのか急性なのか、毎日血液検査をしながら様子を見るということで入院することになりました。

 

猫、動物病院に入院する

入院中も、動物病院の先生がSNSのトークグループを作ってくれて、そこに入院中の写真を送ってくれたり、処置について連絡をくれたりしました。

日本でもこういうサービスをしているところはあるのかな??

こちらとしては少し遠方だったため、必ずしも毎日診療時間内に面会に行く必要もなく大助かりです。

それでも家族の誰かが毎日会いには行っていましたが。

入院前はうずくまってずっと首をうなだれていた我が家のにゃんこも、入院して3日目には普通に座っていられるようになりました。

しかし毎日行う血液検査では貧血が進行しているということで、造血ホルモン注射鉄分注射をしてもらいました。

 

入院4日目には食べ物にも興味を示すようになりました。

ところがなんとてんかんの発作を起こしたとのこと。

こんなことは初めてで驚きましたが、先生の説明では体調が悪いためもともとあった体質が出てきたのではないかということでした。

また、血液検査の結果カリウムが高く出ており、点滴の輸液にカリウムが添加されていたので、そのせいかもしれないのでカリウムの入っていない輸液に変えてくれるとのことでした。

 

5日目、退院

入院して5日目の土曜日、退院の運びとなりました。

毎日の点滴で数値は改善が見られるものの、劇的には良くならなかったことからどうやら慢性だった模様です。

それでも、少しは良くなって退院できたことはめでたしめでたしです。

大きい医療費負担

ですが、めでたくないのが請求された医療費です。

保険には無加入だったため、すべて実費。

円換算すると入院費だけでも一晩に1万円越え。休日を挟んだのでその日はさらに3000円超割り増し料金で、人間様がホテルに泊まれます。

それ以外に毎日行った血液検査、最初の日のレントゲン検査、超音波検査、数々の薬や輸液や注射、病猫用の餌など、合わせて25万円ほどもかかってしまいました。

ネットで調べたら、入院費一つとっても日本よりもかなり割高な設定のようです。海外でペットを飼う場合は、あらかじめ動物病院の医療費についてもチェックしておくといいかもしれません。

猫の在宅介護(家庭での処置)

退院とはいえ、一度壊れてしまった腎臓は元には戻らないので、これ以上腎臓病が悪化しないように家で毎日処置が必要です。

まさか猫の介護をする日が来るとは思ってもみませんでした。

食べ物も、とにかく食べさせて体重を増やすように、というので、今まではたまの贅沢だったおやつ類を箱買いしてきました。

 

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【毎日朝晩2回の投薬】

  1. 朝(てんかん薬、抗生物質、抗吐剤)
  2. 夜(てんかん薬、抗生物質、腎臓関連薬)+食欲促進剤(2日1回)

薬は、人間に処方されるような粉薬と、空のカプセルをくれるので、家で飲ませる前に毎回いちいちカプセルに粉薬を詰めなければなりません。(日本の動物病院ではどうなのでしょう?)

これだけでも面倒ですが、問題は飲ませることです。

猫ですから、薬は当然嫌がるわけで、かなりコツが要ります。

先生の教えによると、顔の前から口の両脇を片手で持って上を向かせて、綿棒などに液状おやつのちゅーるを付けて2,3度口に入れ、最後にチュールを付けたカプセルを薬を喉の奥に入れる道具を使ってさっと飲ませよ、とのことです。

なんでも、ちゅーるをつけないと喉にくっついてカプセルが溶けて苦いからだそう。

これが難しい!

失敗してやり直していると、カプセルが溶けて穴が開いて薬がこぼれてしまったりと悪戦苦闘です。

【皮下注射による輸液】

1日 250ml。 1日1回。

口から飲ませる薬は大変でも一瞬で終わるのでまだましですが、本当に大変なのはこの毎日の点滴です。

輸液を湯煎で温め、チューブと針をセットして、よく看護婦さんがやっているようにチューブの空気を指ではじいて抜いて、猫の肩甲骨のあたりを3本の指でつまんで針を刺して、針が抜けないようにおいしい餌をやったりして🐈の機嫌をとって終わるまでじっとさせていなければなりません。

痛がるし嫌がるし、こちらとしてもやりたくはないのですが、試しに数日やらなかったら明らかに元気がなくなったのでやらないわけにもいかず・・・。😿

その後

しばらくは通院して診察と血液検査を受けることになりました。

その数値を見ながら造血注射、鉄分注射、ビタミン注射などを打って様子を見て、だめなら輸血も考えに入れておくように言われました。

この時、家族で話し合って、もしその時が来ても輸血まではしないという方針を決めました。

果たしてそれが猫にとって幸せなことなのかと考えた時、無理に延命を続けるのは、人間の自己満足かもしれないと思えたからです。

ただでさえ一度の通院ごとに2,3万円が飛んでいくので、経済的なこともかなり負担になっていたのも事実です。

輸液も、この先死ぬまで毎日続けることになると言われました。

 

入院してから1か月半後、猫は、普通に日常生活が送れるまで回復しました。

その後も少しずつ体力が戻り、2か月半後にはちやほやされたせいか入院以前よりも甘えん坊のいたずらっ子になりました。

しかし食は細く、贅沢な猫缶やちゅーるにも飽きたのか少し食べて残すことも多くなりました。

腎臓病用の療養食のカリカリを手に乗せてあげるとかろうじて少し食べる程度になりました。

代わりに人間の食べ物を欲しがるようになり、茹でた鶏むね肉をやると、こちらはパクパク、焼いたサバも、レタスもパンも欲しがります。

また、以前は上らなかったのに最近はシンク台や食卓にまで上ろうとするので料理中は目が離せません。

でも、歩くのもままならないほど一時衰弱していた子が、高いシンク台にまでよじ登れるほど元気になった姿を見るのはうれしくもありました。

 

こんな日々ですが、長生きしてほしいと思っていました。

 

しかし、叶いませんでした。

今思えば、回復したかに見えたのは、死ぬ前に元気になり甘えん坊になって飼い主にお別れをしてくれるといわれる『エンジェルタイム』とか『中治り』の時期でした。

ほどなく、ぱたりと食欲がなくなり、あっという間に虹の橋を渡って行ってしまいました。

 

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ここに書いた動物病院は韓国の病院で、費用も最近円安なので為替のせいで高めになっている部分もあると思います。

どうかほんの一例としてみていただければ幸いです。

 

 

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