2019年はいのしし年。でも中国や韓国では○○年!
韓国では、いのしし年の代わりに돼지띠(トゥェジッティ)
今年は十二支の一番最後の年、いのしし年です。
十二支は商(殷)時代の中国が起源で、日本などその周辺の国々に広く伝わっています。
ウィキペディアによると、日本、朝鮮半島、ベトナム、ロシア、東欧などに伝わったそうです。
ですから韓国にも当然日本と同じく干支(えと)は存在します。割り当てられた動物もほぼ同じです。
ところが、一つだけ違う動物がいます。それがいのししです。韓国では、いのしし年の代わりに돼지띠(トゥエジッティ)、つまり、豚年というのです。
돼지(トゥエジ)は豚、띠(ッティ)は~年(~どし)を表します。ちなみにいのししは韓国語で멧돼지(メットゥエジ)といいます。直訳すると山豚という意味になります。
国、地域による干支の動物の違い
このいのしし年だけが異なるのが興味深かったので調べてみたところ、本家の中国をはじめとした多くの国で豚年になっているということが分かりました。
また、チベットやタイ、ベラルーシ、ベトナムではウサギの代わりに猫が入っているそうです。
ベトナムはこのほか牛も水牛に、羊も山羊になっています。
モンゴルでは虎が豹に、ブルガリアでは虎が猫に、トルコでは龍が魚に、アラビアでは龍がワニになっているんだとか。
おもしろいですね!
日本で豚がいのししになったわけ
ではなぜ本家の中国や隣国朝鮮半島で豚年だったものが日本に来ていのしし年に変化したのでしょう。一説によると、大陸ではいのししを家畜化したものを豚と呼んでいたのですが、日本ではイノシシを家畜化しなかったため豚というものが存在しなかったからだそうです。(磯田道史『江戸の備忘録』(文春文庫))
韓国語で干支を何という?
韓国語で干支は漢字をそのまま韓国語読みして、「カンジ/간지」または十干十二支を韓国語読みして「シpカンシビジ/십간 십이지」、または、十干と十二支の組み合わせで六十通りになることから、六十干支「ユkシpカンジ・육십간지」と言います。
十干(십간)の韓国語表記と読み方
갑(カp・甲), 을(ウl・乙), 병(ビョン・丙), 정(ジョン・丁), 무(ム・戊), 기(ギ・己), 경(ギョン・庚), 신(シン・辛), 임(イm・壬), 계(ケェ・癸)
十二支(십이지)の韓国語表記と読み方
자(ジャ・子), 축(チュk・丑), 인(イン・寅), 묘(ミョ・卯), 진(ジン・辰), 사(サ・巳), 오(オ・午), 미(ミ・未), 신(シン・申), 유(ユ・酉), 술(スl・戌), 해(ヘ・亥)
~年(どし・ッティ)というときの韓国語表記と読み方と意味
子年(쥐띠・チュィッティ)ねずみどし
丑年(소띠・ソッティ)うしどし
寅年(호랑이띠・ホランイッティ)とらどし
卯年(토끼띠・トッキッティ)うさぎどし
辰年(용띠・ヨンッティ)たつどし
巳年(뱀띠・ペmッティ)へびどし
午年(말띠・マlッティ)うまどし
未年(양띠・ヤンッティ)ひつじどし
申年(원숭이띠・ウォンスンイッティ)さるどし
酉年(닭띠・タkッティ)にわとりどし
戌年(개띠・ケッティ)いぬどし
亥年(돼지띠・トゥェジッティ)ぶたどし
年齢をいう代わりにも使われる十二支
初対面でも年齢を聞かれることがよくある韓国。
実は、年齢による上下関係が厳しく、一歳でも年上なら尊敬語で話さなければならないという事情から、韓国では出会って割と早い段階で年齢をお互い公開します。年齢を聞くことは失礼でも何でもないのです。
それでもはっきり言いたくない人の心理というのは韓国でも一緒のようです。はっきり年齢をいう代わりに、生まれた年や、生まれ年の十二支などを言ったりします。こんなところで、干支は活躍しているのですね。
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