韓国の紅葉の名所・内蔵山(내장산 ネジャンサン)の見どころ
秋を満喫!韓国の紅葉の景勝地・内蔵山
日本同様、韓国も四季があるので10月後半から11月初めごろの今はちょうど紅葉がきれいな季節です。
韓国でも紅葉で有名な名所はあちこちにありますが、その中の一つ、内蔵山(내장산 ネジャンサン)に行ってきたのでご紹介します。
内蔵山(내장산 ネジャンサン)とは?
内蔵山(내장산 ネジャンサン)は、大韓民国南西部の全羅北道井邑市と淳昌郡の境界にある山です。
標高は763mとそれほど高くはありませんが、500年以上前から紅葉の名所として親しまれてきたそうです。
峰ごとに独特な岩がそびえているので「湖南の金剛(ホナメクムガン)」とも呼ばれるそうです。
「金剛」は北朝鮮の江原道にある「金剛山(クムガンサン)」のことです。金剛山は標高1,638mの山で荒々しい巨岩でできた峰が特徴的です。日本の奈良・大阪の金剛山ではありません。
話を戻しましょう。
内蔵山(ネジャンサン)は韓国湖南地方の5大名山のうちの一つであり、韓国八景の一つにも数えられ、国立公園に指定されています。
その面積は 80.708k㎡もあるのですが、登山家でもない私の足では一番短い「散策路コース(3.9km、1時間20分)」を回るのが精一杯でした。
ちなみに、他にはどんなコースがあるかというと…。
- ソレ峰コース 5.9km 4時間
- シンソン峰コース 7.4km 5時間
- 稜線一周コース 11.7km 7時間
や、無理です…ハイ。
いざ、内蔵山(내장산 ネジャンサン)へ!
平日の朝に車で行ったのですが、紅葉の時期だからか入り口付近の民営駐車場は1万ウォンもしたので引き返し、公営の第1駐車場(5千ウォン)は満車で、少し遠い第2駐車場(5千ウォン)にとめて川沿いの道を入り口まで歩きました。
入り口近くにはずらっと食事処や売店が並び客の呼び込みをしていました。こういうところで食事をすれば駐車場を一日中ただで使わせてくれるということでした。
売店の食べ物いろいろ
店頭には朝鮮人参のてんぷらやマッコリ、ポンデギ(ポンデギの過去記事⇒【食レポ】韓国のゲテモノ「ポンデギ(번데기)」とは?味は?食感は?)などいろいろな食べ物が並べられていたのですが、特に目を引いたのが、ウズラの丸焼きと牛の頭です。
牛の頭は加熱調理済みで皮だけのような状態で縦半分に切られて無造作に重ねておかれていたのですが、グロテスクだったのでちょっと衝撃で写真を撮ることができませんでした。
後で撮っておけばよかったと後悔しました。
ウズラの丸焼きはこちらです。
そういえば京都でもウズラの照り焼きを売っていたのを見たことがあり驚いたのを思い出しました。
今写真を見て気づいたのですが、ウズラの右隣にあるのは何だと思いますか?
オレンジ色に見えますがニンジンではありませんよ。
タッパル、つまり鶏の足です。
タッパルについてはこちらの記事をご参照ください。⇒【韓国料理】コラーゲンたっぷり鶏の足(もみじ)タッパル닭발を食べてみた!
漢方薬のようなものも売っていて、見ていたらクコの実(韓国語でクギジャ)とモクレン(韓国語でモンリョン)のつぼみを煮出したお茶を試飲させてくれました。(下の写真右下)
モクレンのつぼみは鼻炎や蓄膿症に効くらしく、半年くらい飲み続ければ治るとのことです。
コロナ対策と入場料
売店の列が途切れると、いよいよ入り口に向かうのですが、コロナ時代らしくミスト噴射で消毒されるところを通り(効果あるのか?)、発熱チェックを受けます。
そこを通過してようやくチケット売り場が見えてきます。
大人は4000ウォン(約400円)、中高生は2000ウォン、小学生は1000ウォンです。
クレジットカードも使えました。
チケットには「文化財区域入場料」と書かれています。
紅葉の道を散策
橋を渡ってこの川に沿って行くことになりますが、ここからケーブルカー乗り場やお寺などがあるところまでまだだいぶ歩かなければなりませんでした。
ケーブルカー乗り場まではこの橋の袂からシャトルバス(1000ウォン)が出ているので利用するといいと思います。
ケーブルカー乗り場まで駐車場から50分くらいかかったので、シャトルバスを利用しなかったことを少し後悔しましたが、その分こんなきれいな並木で思う存分写真を撮ることができたのでよしとしましょう。歩道は生きと帰りのコースが指定されていて、人がすれ違わないように工夫されていました。おそらくこれもコロナ対策の一環だと思います。
ここがシャトルバスの終着点です。帰りはここからシャトルバスに乗ることになります。
ケーブルカー乗り場
こちらがケーブルカー乗り場です。
昼頃に乗ろうかと思ったのですが、平日にもかかわらずこんなに行列が!
聞くと待ち時間25分ほどとのことだったのでおなかもすいていたのでやめました。
料金は大人で往復9000ウォン(約900円)、片道6000ウォン、子どもは往復6000ウォン、片道4000ウォンでした。
歴史のある内蔵寺(ネジャンサ)
一番初めに私たちを迎えてくれたのは、内蔵寺(ネジャンサ)の天王門(チョヌヮンムン)の中にいた四天王像です。
四天王とは持国天・増長天・広目天・多聞天です。
たいていの韓国のお寺の門の中にはこういう四天王像がありますね。
内蔵寺の歴史は古く、636年、霊隠祖師が創建した霊隠寺から始まっています。
1557年に希黙大師が法堂などを増築し、この山には宝物が無尽蔵に隠されているという意味を込めて名前を内蔵寺(ネジャンサ)と改めたということです。
お寺の手前にはこんな石造群があり、何かと思ってみるとどうやら僧侶の墓石?石碑?のようでした。
山の上の円寂庵(ウォンジョガム)
下の写真は散策コースの折り返し地点にある円寂庵(ウォンジョガム)です。最後に結構な坂を上りますが、ここからの眺めはなかなかです。
ここは1086年、高麗時代に寂庵大師が創建した庵で、当時は7間もある建物でしたが、朝鮮戦争時、戦火により焼失してしまいました。
その後1961年に僧侶の法明が小さな庵を復元しました。
歩くと音がする「愛の橋(サランエタリ)」
引き返す道には「愛の橋(サランエタリ)」という所がありました。
説明書きによると、高いところの大きな岩が長い歳月をかけて自然の力によって崩れ落ちてできた石の道で、ここを新郎新婦がそっとわたってカタコト音が鳴らなければ男の子が生まれて願いが叶うという伝説があるそうです。
私は新婚でもないし普通に歩きましたが、幾重にも重なった石がわずかに揺れてカタコトと音が鳴りました。
このカタコトいう音を韓国語では「タルガク」と表現するので、別名「タルガク橋」ともいうそうです。
独特の眺め方がある!碧蓮庵(ペンリョナム)
入り口からほど近いところまで戻ってくると、碧蓮庵(ペンリョナム 백련암)が現れます。
内臓山のソレ峰を背景に建つ法堂の真正面には階段の入り口とその上に休憩所のような建物があります。
中に椅子があったので入って休憩していたら、おばさまたちがやってきました。
彼女らは楽しそうにしゃべりながら、さも当然といったように真ん中にあった3畳ほどの台の上にゴロンと寝転んで上を見上げてキャーキャー騒いでいます。
何でもそこにあおむけに寝そべって見上げる景色が格別なんだとか。
それがここの楽しみ方のようで、わざわざ寝そべるために台が置いてあったのです。
せっかくなので私も寝そべってみました。
写真にとるとこんな感じです。いかがですか?
実際に寝そべると、空が庇と山に切り取られてどちらが天でどちらが地なのか一瞬分からなくなるような妙な感覚に襲われます。
池の上に浮かぶ羽化亭(ウファジョン)
最後に、内蔵山国立公園の代表的な撮影スポットとなっている羽化亭(ウファジョン 우화정)をご紹介します。
澄んだ池の真ん中に建つ羽化亭(ウファジョン)は、東屋に羽が生えて天に上ったとの言い伝えがあることからこの名前が付いたそうです。
現在の羽化亭は2016年に再建されたものです。
写真で見るとわかりにくいですが、水は澄んでいて、小魚がたくさん泳いでいるのが見えました。
いかがでしたか?
今はなかなか旅行もままならない世の中ですが、写真だけでも韓国の秋の旅を楽しんでいただけたなら幸いです。
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