韓国に学ぶ!コロナ感染拡大を防ぐアイデア
コロナ感染拡大を防ぐ韓国の市民レベルの取り組み
日本では昨日1日の新型コロナウイルス新規陽性者数が515人でこれまでで最高だったといいます。韓国の2か月前を彷彿とさせます。あの時は連日陽性者数が増えていき、韓国在住の私も恐怖を覚えました。テレビも新型コロナの話題で持ちきりで、あちこちで注意喚起が行われ、急速にマスクや手洗い消毒が浸透していきました。学校も休校になり、塾も自粛し、教会の礼拝もオンラインになり、あらゆる集まりが自粛され中止になりました。その甲斐あって、今の韓国は、大邱、ソウル・京畿地方など一部を除いては比較的落ち着いています。1日の新規陽性者の増加も昨日は39人で、最近はほぼ50人前後です。累計では10423人ですが、うち6973人は回復して隔離解除されており、死亡者204人ものぞくと、現在も隔離中の人は3246人です。
中国武漢の次に、世界に先駆けて新型コロナウイルスの爆発的感染がおこり、選別診療所の設置、ドライブスルー検査、ウォーキングスルー検査、などのアイデアを取り入れた柔軟で素早い対応で、いち早く都市封鎖をすることなく一定の抑え込みに成果を上げている韓国の対応は、世界的にも評価されています。
政府レベルだけでなく、市民レベルでも、様々な工夫を行ってきたことが今の落ち着きにつながっていると思います。日本でも感染拡大を抑えるために何か参考になることがあるのではないでしょうか。
韓国で見られる感染を防ぐ工夫をご紹介します。
感染しやすいところを狙って消毒液を設置
ウイルス感染は、究極的にはウイルスが目や口や鼻から体内に入ることから始まります。ウイルスは空気中でも3時間くらいは生きているので、換気はとても大事ですし、段ボールの上でも1時間、プラスチックの上では3日以上も生きているので、感染した人が触ったものを触った手を顔に持っていくことで感染するリスクがあるのです。そこで大切なのが手洗いと消毒です。
韓国では不特定の人が触る可能性が高いものの近くに消毒液が設置されているのをよく見かけます。例えばエレベータの中や、バスの中、バス停、地下鉄の駅、役所や銀行の入り口や記載台の横などです。
ソウル南山(ナムサン)の桜並木にも手消毒剤がある。 どこでも誰でも手消毒剤を簡単に使用できる。 バス、地下鉄、公共施設などコロナウイルスが変えた姿。 pic.twitter.com/82H5qZPBvq
— JeongWoo (@tenichi08) April 6, 2020
マートに置いてあるカートの近くにはロールティッシュと消毒用ジェルとゴミ箱が置いてあります。これはコロナの流行が起こる以前からありました。気にする人は、自分が使うカートのハンドル部分をそのティッシュにジェルをつけて拭いてから使えるようになっています。私もよく利用しています。
感染を予防できるバスや電車のつり革
つり革はどうしても不特定多数の人が触ることになってしまいますが、韓国には毎回回すことで消毒できるつり革があります。グッドアイデア!これもコロナ流行以前からあったということです。
また、よく空港に置いてある靴の裏を消毒できるマットも地下鉄などで導入されているようです。
韓国のバスと電車にはすでに消毒器用の取っ手も設置されている。 取っ手を回転させると消毒になる。 コロナウイルスの予防のため、地下鉄には消毒用の足場もあり、全自動手消毒器も設置されている。 pic.twitter.com/fFPwkqmkKM
— JeongWoo (@tenichi08) April 8, 2020
紫外線でカートごと消毒
紫外線には殺菌力があるのはよく知られている通りです。それを利用した青い光を出す殺菌灯はハンドドライヤーや、アクアリウムなどでも利用されています。韓国だと、食堂の金属製のコップを収納してあるところによく使用されています。なんと、この殺菌灯を使ってカートごと消毒できる装置もあるようです。私はまだお目にかかったことはないですが、すごいですね。
最近の韓国の大型マート。 コロナウイルスの防疫と予防を目的にショッピングカート専用の消毒器も設置されている。 pic.twitter.com/DWPioa7Cuf
— JeongWoo (@tenichi08) April 8, 2020
ボタンの上に抗菌作用のある銅イオンの透明シート
エレベーターのボタンに、透明なシートが張り付けられているのをよく見かけるようになりました。これは上部のシールにCu+と書いてある通り、銅イオンの抗菌性を利用した抗菌フィルムです。銅イオンは様々な菌やウイルスに殺菌効果を発揮することが知られています。
アクリル板設置で飛沫感染予防
官公庁の役所や銀行など、対面ブースがあるところは飛沫感染の予防に仕切りのアクリル板が設置されているところが大幅に増えました。
ヨジュの保健所では感染拡大予防に構内食堂の利用時間をずらしていましたが、3月30日からは4人掛けのテーブルに十字型のアクリル板を設置したそうです。ほかの食堂にも広がっているようです。
感染を防止する帽子
さすが素早い韓国。感染を防止できる帽子は2月の段階からすでに出回り始めていました。マスクで覆えるのは口と鼻のみで、目はがら空き、かといってゴーグルまではちょっと…という気持ちにこたえてくれる帽子です。子供用もあります。マスクと組み合わせて使えば完璧です(笑)。しかし、帽子はマスクと違い使い捨て出来ないので、使った後は消毒するなどきちんと管理をしないと、かえってウイルスを持ち帰ることにもなるので要注意です。
韓国ではないですが、マレーシアのペナン島では新生児にも似たようなガードがかぶせてあるところがあるようです。心づかいが優しい!
最近生まれた赤ちゃん達にも、ちゃんとフェイスガードをするのを怠らない、マレーシアの病院。 pic.twitter.com/jpOarYfVLN
— Goki (ゴウキ)@ 🇲🇾のペナン島 (@gstokyo_pg) April 5, 2020
宅配は置き配で
これは今に始まったことではないのですが、韓国では宅配の受け取りにサインや印鑑は必要ありません。なので、以前から玄関の前に置く「置き配」が主流でした。置き配は配達員の人と対面で荷物の受け取りをする必要も言葉を交わす必要もないので、感染リスクが低下します。配達員は、玄関の前で携帯メッセージで知らせてくれるので、到着したことがすぐにわかります。もちろんあらかじめ携帯メッセージで到着予定時間は教えてくれるし、その際に受け取り方法の希望も伝えられます。
一般的なオプションとしては、
- 配送住所で直接受け取り
- (アパートの)警備室に預ける
- 宅配入れ(ビラには鍵がかかる宅配入れがあることも多い)に入れておく
- 玄関の前に置く
- その他の場所希望など
がああります。
廃物利用でマスクゴムによる耳への負担減
韓国で昔から愛されてきた甘いスティックコーヒー(コーヒーミックス)。マキシムなどが有名です。大量に入っている箱買いがお得ですが、この箱、結構重いので、上部にプラスチックの持ち手がついています。このプラスチック部分が、意外な使い方で注目を集めています。
韓国では今ではマスクの不足は完全に解消できているので、外で働く人はほぼ毎日寝るとき以外ずっとマスクをつけっぱなしで活動しなければならないのですが、そのゴムのせいで耳の裏が痛くなるのを防ぐのに、このプラスチックの持ち手を利用するといいという口コミが広がって、引っ張りだこになっているのです。下の写真で見ると、なるほど、ぴったりですね。
自宅隔離の人には無料で食べ物宅配
工夫というか、韓国では強制の自宅隔離に人には、自宅まで無料で食べ物が届けられます。外に出て買い物されてはほかの人に危険が及ぶからです。人のことを思いやるあたたかい人情が感じられる行政はいいですね。日本の政府や行政も見習うべきではないでしょうか。
韓国政府が強制自宅待機に配給するパッケージ
死ぬほど羨ましいんだが?
ちゃんと国民のことを考えてくれてるのがわかる。
日本は先進国にはなれんわ。 pic.twitter.com/1wLV4gQGRw— まぐろ山かけ (@chickheart_) April 1, 2020
朝救援物資を届けたとの電話を受けて玄関前を確認すると想像以上に重くて大きい段ボール📦が。パックご飯12個にお米4キロ、ラーメン16個、ご飯のお供など。救援物資の内容は地域ごとに違うと聞いていて、うちにも来るかな?と少しわくわくしてたのですが届きました🥺有難いです。 #韓国 #自宅隔離 pic.twitter.com/67byNXXY0w
— yorumu (@i__yeoreum) April 8, 2020
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