【世界の産地別コーヒー】タンザニア産コーヒー~キリマンジャロ
今日はキリマンジャロで有名なアフリカ中東部の国、タンザニアのコーヒーについて調べました。
タンザニア産コーヒーの基本データ
世界の生産量に占める割合:0.6%
生産量:世界第19位(5万5千トン/2017年)
主な種:アラビカ種70%、ロブスタ種30%
主な品種:ブルボン、ケント、ニアサ、ブルーマウンテン
収穫期: アラビカ種 7月~2月
ロブスタ種 4月~12月
生産処理:アラビカ種 ウォッシュト
ロブスタ種 ナチュラル
タンザニア産コーヒーの生産形態と特徴
タンザニアには1898年にカトリックの宣教団によってコーヒーがもたらされました。
タンザニアはアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ山(標高5895m)を有し、そのふもとで栽培されるキリマンジャロコーヒーは世界的に有名な銘柄です。
タンザニアで栽培されている品種の多くはアラビカ種で、大粒で緑灰色の生豆です。ブゴバ地区産を除くタンザニア産アラビカ種はすべてキリマンジャロの銘柄で出荷されます。
ほぼすべてのコーヒー農園が家族経営の小規模農園で、約45万家族、産業全体での雇用は250万人に上ります。
コーヒーの格付け方法
タンザニアでのコーヒーの格付けは、スクリーンサイズ(豆のサイズ)と欠点数によって行われます。スクリーンサイズ17以上を最高等級のAA(ダブルエー)と定め、小さくなるに従って、A、B、AF、C、TT、F、Eに区分されます。(スクリーンサイズは約0.4㎜が世界標準単位。スクリーンサイズ17は約6.8㎜。)
キリマンジャロ
同じキリマンジャロ銘柄でも、北東部のキリマンジャロ山麓のエリアと、南部の高地のものでは味が異なるようです。日本人がキリマンジャロからイメージする華やかな酸味と甘酸っぱい香りのキリマンジャロは北部産のもので、南部産のものは甘みのあるフルーツ系の味が特徴です。
特徴:柑橘系の適度な酸味、濃厚なコク、やわらかな味わい。キレの良い適度な苦味。さわやかで上品な後味。
焙煎度:中~深煎り(ミディアムロースト~シティロースト)
楽しみ方:ストレート、カフェオレ、エスプレッソ、アイスコーヒー
タンザニアのコーヒーの主な生産地区
キリマンジャロおよびアルーシャ
キリマンジャロ山の高原は火山性の土壌と高い標高、インド洋から吹く風、赤道直下の強い日差しなどの恵まれた環境のおかげで東アフリカ有数のコーヒー豆が育ちます。
ウサンバラ山地
東アーク山脈の一部をなすウサンバラ山地では最近新たに2つの新種が見つかり、タンザニアの野生種は全部で16種になりました。
ルブマおよびムビンガ
南部の高原地帯です。まだコーヒー栽培が始まって50年にもなっておらず、今後の可能性が期待されます。
ムベヤ
若手がコーヒー生産を担っており、今後が期待される地域です。
カゲラおよびブコバ
タンザニアの北西、ビクトリア湖沿岸に位置し、ロブスタ種を生産しています。大半はナチュラル処理です。この地域だけで国土全体のコーヒー生産量の25%を占めます。タンザニアのロブスタ種は小ぶりで丸くセンターカットがまっすぐ入った形状で、味は重厚なコクと甘みが特徴です。
参考文献
『コーヒーの基礎知識バリスタテクニック・100のレシピCOFFEE BOOK』Anette Moldvaer著 誠文堂新光社
『知れば知るほどおいしく飲めるコーヒー辞典』藤田政雄著 日本文芸社
『極める愉しむ珈琲辞典』西東社
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