エスプレッソはクレマが大事だの、アメリカーノはブラックがおいしいだの、よく聞くけれどはっきり意味が分かっていないかもしれない言葉って意外と多くありませんか？ここではこれらについて説明します。

エスプレッソ(espresso)とは

エスプレッソとは極細挽きのコーヒー豆に、熱いお湯を9気圧の圧力をかけて透過させることで、短時間で抽出する濃いイタリア式のコーヒーのことです。抽出量は25～30㎖と、ふつうのコーヒーに比べてかなり少ないので、デミタスという厚みがある小さなカップ（写真右。コロンとしてかわいくて好き）を使って飲みます。本場イタリアでは、ティースプーンに山盛りの砂糖を入れて甘くしてさっと飲みます。

エスプレッソの特徴

即席抽出

その第一の特徴は、まずその名前が表している通り、迅速な抽出スピードです。エスプレッソ(espresso)という名前はイタリア語ですが、そのまま英語に直すとエクスプレス(express)です。25秒から30秒が正常な抽出速度です。

加圧抽出

二つ目の特徴はその早い抽出を可能にしている理由でもある、9気圧の加圧抽出だということです。圧力がかかることにより、不溶性成分も抽出され、ドリップよりも濃縮された味になります。しかし、カフェイン含有量はドリップよりもかなり少ないです。

クレマ（crema）とは

クレマとはエスプレッソを抽出した時に表面にできる黄金色を帯びた茶色の滑らかなクリームのことで、コラーゲンとコーヒーオイルからなっています。このクレマの色、量、滑らかさなどによってエスプレッソの質が分かります。もしも、エスプレッソを頼んだのにクレマがなかったらクレームをつけてもいいですよ！

クレマはエスプレッソが早く冷めるのを防ぎ、コーヒーの豊かな香りを持続させ、味をまろやかにするなどの働きをします。

エスプレッソの抽出手順

専門的になるので、できるだけ単純化して説明します。

1. まず、エスプレッソマシンに軽くはめられて予熱されているポルタフィルターというひしゃく状のフィルターを取り外します。
2. その中にグラインダー（ミル）から極細挽きのコーヒー豆の粉を入れます。
3. ポルタフィルターの腹を軽くたたいて表面を均してから、タンパー（tamper）という丸い大きなハンコのような形の押し固める道具で上から押してコーヒーの粉を2度に分けて押し固めます。
4. エスプレッソマシンに取り付けます。
5. ショットグラスやコップなどでうけておいて抽出ボタンを押します。
6. 25秒で25㎖抽出出来たら止めます。
7. エスプレッソはこれで出来上がり。あとは残ったコーヒーケーキ（コーヒー滓の塊）を捨ててポルタフィルターを洗い次の抽出に備えるといった具合です。

アメリカーノとは？

エスプレッソを使った基本中の基本のコーヒーメニュー

アメリカーノとは、この抽出したエスプレッソをお湯または水と氷で薄めたものをいいます。アメリカンコーヒーと名前が似ていますが、アメリカンコーヒーは昔ながらの喫茶店でもおなじみの、浅煎りのコーヒー豆で主にドリップで入れたコーヒーを指します。アメリカンコーヒーはクレマがでませんが、アメリカーノではクレマがちゃんと残っています。

エスプレッソと牛乳から作られる代表的なメニュー、カフェラテとカプチーノについてはこちらをご覧ください⇒カフェラテとカプチーノとカフェオレの違いって？区別の仕方を要点を絞って分かりやすく解説！