日本語と韓国語は似ている!助詞も漢字語も文法も!同じ類型に属する言語
韓国語は日本人にとって習得しやすい言語
英語を学校で習ったときのことを覚えていますか。その文字はなんだかかっこよくてワクワクしましたが、発音は学校で先生の話す日本人なまりの英語とネイティブの人が話す生の英語とのギャップに驚き、文法構造などはあまりに日本語と違いすぎて頭がついていけなくて半ば絶望したことを覚えています。
そんな私が、大学に入って初めて接した英語以外の外国語はドイツ語と中国語と韓国語でした。この中で私の心をわしづかみにしたのが韓国語でした。丸と直線と点で構成されたハングル文字の可愛さもさることながら、その文法には心底驚きました。なぜなら日本語とほとんど同じだったからです。
韓国語の文法の特徴
世界の言語の類型
世界の言語の分け方として、形態的言語類型論と、統語的言語類型論というのがあります。
実はこのどちらの類型論でも、日本語と韓国語は同じグループに属するのです。
形態的言語類型論
孤立語
孤立語というのは中国語を想像するとわかりやすいです。単語は語形変化をせず、その並べ方、順序によって意味が決まります。
膠着語
日本語や韓国語がこれに当たると言われています。語順はあまり大事ではなく、単語につく助詞や助動詞が大きな役割を果たします。接頭辞や接尾辞があり語形変化を伴います。
屈折語
英語やドイツ語などヨーロッパに多い類型で、格、数、性などで複雑に語形変化が起こります。ただし、英語はかなり変化が失われ、孤立語に近づいたと言われています。
統語的言語類型論
これは動詞(V)、主語(S)、目的語(O)の語順によって分類したものです。
理論的には6種類の並び方がありえます。
SOV
SVO
VSO
VOS
OSV
OVS
しかし、実際には最後の2つのような目的語が最初に来る言語はなく、その上のVOSも極めて限定的なので、ほぼ上の3つのどれかの類型に当てはまります。
英語や中国語はSVOですが、日本語や韓国語はSOVですね。
ちなみに、日本語や韓国語のような語順のほうが世界の主流派のようです。松本克己氏の1408言語の調査では
SOV 711言語(50.5%)(日本語、韓国語、モンゴル語、ヒンディー語、ラテン語など)
SVO 510言語(36.2%)(英語、中国語、フランス語、ロシア語、インドネシア語など)
VSO 143言語(10.2%)(アラビア語、ヘブライ語、ウェールズ語など)
その他 44言語 (3.1%)
となっていて、過半数が日本語と同じSOVです。
(参考:『対照言語学』石綿敏雄、高田誠著 桜楓社)
話が大きく脇にそれてしまいました。
とにかく、韓国語も日本語と同じく助詞で格が決まることと、語順がSOVであることが、日本語話者である私たちにとってはとても親しみやすいのです。逐語訳で何となく文ができてしまうのですから。
漢字圏に属する日本語と韓国語
日本も韓国も地理的に大国中国から近く漢字をはじめとした多くの文化的影響を受けてきました。特に漢字は独自の文字が普及していなかった日本や韓国で広く取り入れられてきたため、日本と韓国の漢字熟語には共通したものが今も多く使われているのです。読み方も中国語の読みから来ているため似ています。このため、知らない韓国語の単語でも、音からある程度類推までできてしまいます。
日韓で似ている漢字語の一例
図書館:도서관(トソグァン)
高速道路:고속도로(コソットロ)
意味:의미(ウィミ)
調和:조화(チョファ)
討論:토론(トロン)
未来:미래(ミレ)
基準:기준(キジュン)
準備:준비(ジュンビ)
国家:국가(クッカ)
地球:지구(チグ)
韓国語の基本的な助詞の意味と読み方
韓国語の基本的な助詞を見てみましょう。
主格(~が):~이(イ),~가(ガ)
前に来る名詞がパッチム(子音)で終わる場合は~이、パッチムがない母音で終わる名詞の場合は~가、と使い分けられます。
(例)
日本が:일본이(イlボニ)
私が:제가(チェガ)
主題(~は):~은(ウン),~는(ヌン)
これも前に来る名詞がパッチム(子音)で終わる場合は~은、パッチムがない母音で終わる名詞の場合は~는、と使い分けられます。
(例)
私は:저는(チョヌン)
きみは:너는(ノヌン)
目的格(~を):~을(ウl),~를(ルl)
これも前に来る名詞がパッチム(子音)で終わる場合は~을、パッチムがない母音で終わる名詞の場合は~를、と使い分けられます。
(例)
本を:책을(チェグl)
切符を:표를(ピョルl)
所有格(~の):~의(ウィ、エ)
日本語に比べて省略されることが多いです。
(例)
私の夢:나의 꿈(ナエクm)
息子の本:아들(의) 책(アドゥレ チェk)
添加(~も):~도(ト、ド)
(例)
昼も:낮도(ナット)
お金もない。:돈도 없어.(トンド オpソ)
時(~に):~에(エ)
(例)
9時に:9시에(アホpシエ)
火曜日に:화요일에(ファヨイレ)
対象(人や動物)(~に):~에게(エゲ), ~한테(ハンテ)
動作が及ぶ対象を表します。~에게よりも~한테の方が口語的です。
(例)
友達に:친구에게(チングエゲ), 친구한테(チングハンテ)
猫に:고양이에게(コヤンイエゲ), 고양이한테(コヤンイハンテ)
所在、目的地(~に):~에(エ)
存在する場所や目的地を表します。
(例)
ソウルに行きます。:서울에 갑니다.(ソウレ カmニダ)
学校にいます。(あります。):학교에 있어요.(ハッキョエ イッソヨ)
方向(~へ)、道具、材料、(~で)、資格(~として):~으로(ウロ),~로(ロ)
これも前に来る名詞がパッチム(子音)で終わる場合は~으로、パッチムがない母音またはㄹで終わる名詞の場合は~로、と使い分けられます。
(例)
日本へ:일본으로(イlボヌロ)
卵で:계란으로(ケェラヌロ)
バスで行きます。:버스로 갑니다(ポスロ カmニダ)
フォークで食べます。:포크로 먹습니다.(ポクロ モkスmニダ)
場所(~で):~에서(エソ)
(例)
家で:집에서(チベソ)
韓国で:한국에서(ハングゲソ)
共同(~と):~과(クァ),~와(ワ),~하고(ハゴ)
これも前に来る名詞がパッチム(子音)で終わる場合は~과、パッチムがない母音で終わる名詞の場合は~와、と使い分けられます。~과,~와よりも~하고の方が口語的です。
(例)
君と僕:너와 나(ノワ ナ)
目と耳:눈과 귀(ヌングァ クィ)
時間、順序の起点(~から):~부터(プト)
主に時間的な始点を表します。
(例)
7時から:7시부터(イlゴpシプト)
幼いころから:어렸을 때부터(オリョッスlッテ)
空間的起点(~から):~에서(エソ), ~서(ソ),~에게서(エゲソ), ~한테서(ハンテソ)
主に空間的な始点を表します。
(例)
釜山から:부산에서(プサネソ)
ここから:여기서(ヨギソ)
終点(~まで、までに):~까지(ッカジ)
時間的、空間的終点を表します。期限も表します。
(例)
10時まで:10시까지(ヨlッシッカジ)
釜山まで:부산까지(プサンッカジ)
あそこまで:저기까지(チョギッカジ)
比較(~より):~보다(ポダ)
(例)
お金より:돈보다(トンポダ)
日本より:일본보다(イlボンポダ)
適当な文章を作ってみたら逐語訳に!
ではこれらの助詞を使って例文を作ってみます。
韓国は東アジアにある日本より小さい国です。
한국은 동아시아에 있는 일본보다 작은 나라입니다.
(ハンググン トンアシアエ インヌン イlボンポダ チャグン ナライmニダ)
これを分解すると、
韓国は(한국은) 東アジアに(동아시아에) ある(있는) 日本より(일본보다)小さい(작은) 国です(나라입니다.)
となります。
ではもう一つ。
日本から韓国まで飛行機で約2時間です。
일본에서 한국까지 비행기로 약 2시간입니다.
(イlボネソ ハングッカジ ピヘンギロ ヤk トゥシガンイmニダ)
分解すると、
日本から(일본에서) 韓国まで(한국까지) 飛行機で(비행기로) 約2時間です(약 2시간입니다.)
となります。
いかがですか?完全に逐語訳ができてしまっていますね!
もちろん、もっといろいろ細かく見ていけば文法的に語順や表現方法などが異なる部分もありますが、大部分が日本語とそっくりな文法で成り立ってしまうのです。
知れば知るほど面白い韓国語。是非あなたも勉強してみてはいかがですか?
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