【韓国映画】『完璧な他人』（완벽한 타인,Intimate Strangers, 2018）

観覧客の評価　　　 9.11点

記者・評論家の評価6.13点

ネチズンの評価　　8.77点

ドラマ・コメディ　韓国映画　115分 2018 .10.31 韓国公開

 

監督：

イ・ジェギュ（이재규）

キャスト：

ユ・ヘジン（유해진）テス(태수)役,

 

チョ・ジヌン（조진웅）ソッコ(석호)役,

 

イ・ソジン（이서진）ジュンモ(준모)役,

 

ヨム・ジョンア（염정아）スヒョン(수현)役,

 

キム・ジス（김지수）イェジン(예진)役,

 

ソン・ハユン（송하윤）セギョン(세경)役,

 

ユン・ギョンホ（윤경호）ヨンベ(영배)役

 

15歳以上観覧可

累積観客数：4,930,629人(11.26 基準)

（NAVER映画参照）

 

あらすじ

『ねぇ、ゲームしない？みんなケータイ出してみて。

晩御飯の間に届いたものを全部公開するの。

電話、メッセージ、カカオトーク、e-mail何もかも全部！』

久しぶりに集まった夫婦同伴の引っ越しパーティーで、一人が提案した。各自の携帯電話をテーブルの上に置いて通話内容からメッセージ、電子メールまで、すべて共有しようというもの。

楽しくゲームを始めたが、秘密がひとつひとつスマートフォンを通して暴露されていくにつれて、雰囲気がおかしくなっていき、最後は？！

予告編（韓国語）

鑑賞後記

韓国で話題の映画、『完璧な他人（ワンビョッカン　タイン완벽한 타인）』を見てきました。

夫婦同伴の友達の引っ越しパーティーに集まった7人の男女。

家の主人のチョ・ジヌン（조진웅）演じるソッコ(석호)は豊胸専門の整形外科医、キム・ジス（김지수）演じるイェジン(예진)はその妻で精神科医で年頃の娘がいます。賃貸用アパートを購入し広くておしゃれな家を開放して夕食に友達を招待します。

呼ばれたユ・ヘジン（유해진）演じるテス(태수)は厳格な弁護士で、貞淑な専業主婦で文学好きのヨム・ジョンア（염정아）演じるスヒョン(수현)と3人の子供たちと自分の母親と一緒に暮らしています。

 

3組目はイケメンのレストランオーナーのイ・ソジン（이서진）演じるジュンモ(준모)と、若い獣医師のソン・ハユン（송하윤）演じるセギョン(세경)夫婦です。新婚でラブラブ、人目も気にせずいちゃいちゃしています。

最後は未婚で最近まで体育教師をしていたユン・ギョンホ（윤경호）演じるヨンベ(영배)が、恋人は来られなくなったと一人で現れます。

皆、はた目にはお互い完璧なほど仲が良いような仮面をかぶっています。しかし、この携帯ゲームを通して、親しい友人同士にも夫婦の間にも明かせない秘密を抱えていたことが暴かれていきます。結局はお互い完璧な他人だったのかも…。

こんなゲームを実際に行ったらどうなるでしょう？映画の中でも言っていますが、いま私たちはあまりにもたくさんのことをスマートフォンの中に入れすぎています。携帯をどこかに置き忘れでもしようものなら不安で仕方がありません。

この映画の登場人物たちも、やましいことはないというふりをしてゲームに応じはしますが、心中ははらはらし通しで食事の時間の緊張感と言ったら恐怖以外の何物でもありません。その恐怖に慌てふためく様子を客観的にユーモラスに描いた映画で、映画館の中は何度も観客が声を出して笑い、時にはあちこちから思わず声が漏れてくる（「ピアス？」とか）という、映画ではなく寄席でも見に来たんじゃないかと思えるような雰囲気でした。

 

明かされていく秘密は、陰口から整形手術のこと、詐欺被害にあったことや浮気、不倫、同性愛など、多岐にわたります。そんなに秘密があるのかなぁと思ってみていたのですが、映画のレビュー（韓国語）を見ると、「これは現実を表している」というレビューがいくつもあってこれまたびっくり。そうなんですね…韓国社会。私に「日本人は本音と建て前を使い分けるから怖い」と言っていた韓国の皆さん。韓国も同じじゃないですか？（笑）

でも実はこの映画、イタリアのパオロ・ジェノヴェーゼ（PaoloGenovese）監督の映画『おとなの事情(Perfetti Sconosciuti)』 のリメイクでした。2016年にイタリアで公開されて1600ユーロの興行収益を上げ、数々の賞を受賞し、まずギリシャ、スペインでリメイクされ、今年9月にはフランス、そして今回韓国でリメイクされ公開されました。さらにドイツ、カタール、スウェーデン、トルコなどでもリメイクが進んでいるそうです。

　　

やはり人間には人には言えない秘密が一つや二つはあるのが当たり前というのは万国共通のようです。それでも人はうまくそれを包み隠して、円滑な人間関係を保っているということなのでしょう。

ラストは少し番狂わせでしたが、笑いもあり、スリルもあり、もの悲しくもあり、いろいろ考えさせてもくれる、なかなかいい映画でした。おススメですが、子どもと見に行くとちょっと気まずいシーンもあるかもしれません。秘密がないのならぜひ夫婦で見ていただきたい映画でした。

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