コーヒーは健康にいい!カフェイン、ポリフェノール、トリゴネリンの効果・効能
コーヒーは体にいい?悪い?
一昔前は、コーヒーは体に悪いという話が蔓延していましたが、その後の研究でその認識は完全に覆されたのを知っていますか?実はコーヒーは健康にとてもいいのです。コーヒーを毎日3杯飲む人と全く飲まない人を比較した調査でも、コーヒーを飲んだ方が病気にかかりにくく健康だという結果が出ています。そもそもコーヒーは古くから薬として愛飲されてきたという歴史もあります。では一体コーヒーにははどんな効果があるのでしょうか。
コーヒーに含まれる代表的な成分とその効能
コーヒーに含まれている代表的な成分に、カフェイン、ポリフェノール、トリゴネリンの3つがあります。今日はこの3つの成分のもたらす効果についていていきます。
コーヒーの成分1:カフェイン
コーヒーと言えば、カフェインがすぐに思いつくのではないでしょうか。とかく悪者にされがちなカフェインですが、カフェインにはたくさんの効能があります。どのような効果、効能があるか見ていきましょう。
覚醒効果
カフェインには脳の中枢神経を刺激し、神経伝達物質の生産、分泌を促進する覚醒効果があります。このせいで目が冴えて眠れなくなる人もいるのですね。この効果は緊張感を維持するのに役立ちます。カフェインが作用するまでには30分ほどかかるので、コーヒーを飲んで休憩してから作業に取り掛かると勉強や仕事がはかどるという効果が期待できます。
疲労回復・リラックス効果
カフェインには、ストレスを軽減し、疲労を回復させる効果があることが、動物実験などからわかっています。疲れたときにコーヒーを一杯飲むとリラックスできるのはこのためですね。
ダイエット効果
カフェインには体内のグリコーゲンと中性脂肪を分解してエネルギーを生成する効果があります。基礎代謝率を高めて、筋肉活動能力を増加させてくれます。つまりダイエット効果もあるということですね!
余談ですが、このようなカフェインのダイエット効果に着目した商品もあります。その名も「ダイエットサポートコーヒー カフェテイン」です。
カフェインで基礎代謝をアップし、プロテインで筋力を維持をするので 、効率的なボディメイクが期待できそうです。
利尿作用
利尿作用は肌で感じている人も多いはずです。私もその一人で、どうしても飲むとお手洗いが近くなります。この利尿作用は老廃物を体外に排出する効果があります。ただしその分水分摂取を心がけましょう。
炎症を抑える効果
カフェインには炎症を抑える効果もあります。
皮膚がんの発症リスクを下げる効果
皮膚がんの一つである基底細胞がんの予防に効果があることが分かっています。紫外線を浴びる前にコーヒーを飲むのもいいでしょう。
二日酔いを和らげる効果
カフェインには肝機能を良好に保ち、毒素の分解を助けます。脳血管を収縮させて、頭痛をやわらげて、利尿作用で毒素を体外に排出させます。
片頭痛を和らげる効果
カフェインには血管を収縮させる働きがあり、脳の血管が拡張することによっておこる片頭痛、別名拡張型頭痛を和らげる効果があります。
お茶にも意外と多いカフェイン
コーヒーにはカフェインが多いと思っている人が多いと思いますが、実はコーヒーの種類や抽出方法によってかなりカフェインの量にばらつきがありますし、お茶や炭酸飲料にも意外とたくさん入っています。以下の表を見てください。(バリスタの資格を取るときに使ったテキスト(韓国語)に載っていた内容を翻訳たもの。)
コーヒーとその他の飲み物のカフェイン量比較
飲み物の種類(150㎖・コップ一杯当たり) | カフェイン含有量(㎎) |
ドリップコーヒー | 115 |
エスプレッソ(30㎖・1ショット) | 40 |
インスタントコーヒー | 66 |
カフェインフリーコーヒー(デカフェ) | 2~5 |
お茶 | 20~100 |
炭酸飲料(335㎖1缶) | 26~34 |
ココア | 5 |
ドリップコーヒーは一杯あたり115㎎もカフェインが含まれていますが、エスプレッソにはたったの40㎎しか含まれていません。つまり、エスプレッソから作るアメリカーノやカフェラテ、カプチーノなどのコーヒー類はドリップでいれたコーヒーの半分以下のカフェインしか含まれていないということです。また、お茶や炭酸飲料にもカフェインは含まれていることは知っておいた方がよいでしょう。また、デカフェのコーヒーにも微量のカフェインが含まれています。
カフェインの取りすぎによる悪影響
体にいいことが多いカフェインですが、取りすぎは害になります。体質なども考えて自分に合った量だけ飲むようにした方がいいでしょう。
普通の成人の場合、一日に300~400mgのカフェインなら無理なく処理できます。しかし、カフェインを過剰摂取した場合、不眠症、不安感、興奮、心拍数増加、頭痛、神経過敏、といった症状が現れます。慢性的にカフェインを取りすぎると、血しょうコレステロール濃度が上がるという報告もあります。また、血流量が増加して、一時的な血圧上昇を引き起こす場合もあります。利尿作用により電解質を体外に排出してしまいます。
コーヒーの成分2:ポリフェノール
多くの植物などに含まれているポリフェノールですが、コーヒーにはコーヒーポリフェノールと呼ばれるクロロゲン酸がたくさん含まれています。なんと浅煎りのコーヒーなら1杯で1gもとれるのだとか!ではその効能を見ていきましょう。
抗酸化作用
ポリフェノールの効能はよく知られている通り、まず、抗酸化作用が上げられます。細胞の酸化を防ぎ、老化を抑えます。アンチエイジング効果とは嬉しいですね!
血糖値の上昇を抑える作用
クロロゲン酸は糖分の吸収を遅らせて食後血糖値の上昇を抑える働きがあります。
血圧を下げる作用
副交感神経を刺激して、血圧を下げる作用があります。
コーヒーの成分3:トリゴネリン
トリゴネリンはコーヒーの生豆に含まれている成分で、ローストして加熱すると、ニコチン酸(ビタミンB3)とNMP(N-メチルピリジニウムイオン)に変化します。これらは深煎りにするほど多くなります。
ニコチン酸
- ストレスが原因で起こる中性脂肪の増加を防ぐ効果
- 糖尿病、高血圧、動脈硬化などの改善効果のあるアディポネクチンの分泌を促すことによる、血管壁を保護したり、血液をサラサラにする効果(高脂血症の予防)
- 大腸がんを防ぐ効果
NMP
- 副交感神経を刺激してストレスの緩和を促す作用
- 大腸の働きをよくする作用
- 血圧を下げる作用
- 強い抗酸化作用(発がん性物質の解毒作用も指摘されている)
結論:コーヒーは健康に良い!
これ以外にもいろいろな実験からコーヒーはお酒の肝臓への負担を軽減させる効果があることや、胆石の発生率を下げることなどもわかっています。
だから、コーヒーは総じて健康に良いのです。さて、今日ももう一杯コーヒーを飲もうかなっと。
参考文献
『極める愉しむ珈琲辞典』西東社
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