コーヒー豆の焙煎(ロースティング)について知ろう
コーヒー豆の焙煎(ロースティング)とは
コーヒー豆の焙煎(ロースティング)とは生豆に熱を加えて組織を膨張させ、化学変化を起こさせて味と香りを引き出すことです。生豆を摂氏200度前後で12~20分ほど煎って過熱します。この過程で生豆中の水分や炭酸ガスなどの揮発成分が抜け、重量が約20パーセント減少します。水分は12パーセント程度だったものが4パーセント程度になります。
焙煎(ロースティング)の過程
1. 乾燥段階(吸熱反応):
はじめは草の匂いですが、パンのような穀物の香りに変わります。この段階で生豆中の水分のうち70~80パーセントが喪失されます。色は緑から黄色に変わっていきます。
2. 1次クラック(1ハゼ)(発熱反応):
豆の中の炭水化物が酸化して膨張し、生豆のセンターカット(コーヒー豆の真ん中の線の部分のこと。コーヒーの実の各部分の名称と構造についてはこちら⇒ コーヒーチェリーの構造と世界で主に行われている5種類のコーヒーの精製加工方法 )がパチパチ音をたてながら割れていきます。豆の表面が滑らかになります。酸っぱいにおいがします。色は茶色になってきます。シナモンロースト~ミディアムロースト段階に当たります。
3. 2次クラック(2ハゼ):
じりじりとコーヒー豆の香りが出てきます。豆内部のオイル成分が表面に染み出てきます。色は茶色から焦げ茶色になり、一次クラックの時よりさらに膨張します。フルシティロースト段階に相当します。過熱によるカラメル化現象により甘い香りがまざってきます。
4. 2次クラック以降:
酸っぱいにおいと甘いにおいは減少してほぼなくなり、苦みが強くなります。フレンチローストや、イタリアンロースト段階に到達します。
5. 冷却段階:
好みの焙煎段階に達したらすぐに冷まします。そうしないと内部の熱によってさらに進んでしまうからです。冷まし方は、冷たい空気にさらすか、水を噴霧します。ただし、水は多いとコーヒーが吸ってしまうので注意が必要です。
焙煎度(ロースティング強度)(8段階)
煎り方の度合いや分け方は、国や地域によってまちまちで、同じ名称でも焙煎度が違っていることもあります。ここでは基本的な8段階の分け方を紹介します。
1. ライトロースト(Light)
黄色
最も浅煎りの段階です。酸味が目立ち、まだコーヒーらしさはありません。
2. シナモンロースト(Cinnamon)
シナモン色
まだ酸味が目立ちます。少し甘みがあります。
3. ミディアムロースト(Medium)
薄い茶色
アメリカンローストともいわれます。中程度の甘みと酸味、少々苦みも交じります。
4. ハイロースト(High)
茶色
強い甘味が出ます。酸味と苦みも少しあります。ドリップコーヒーに合います。
5. シティロースト(City)
茶色
強い甘みと苦みがあり、少し酸味があります。ドリップコーヒーに合います。
6. フルシティロースト(Full City)
濃い茶色
中程度の甘味と苦味に、酸味も少し残っています。アイスコーヒーやカフェラテ、カプチーノなどに合います。
7. フレンチロースト(French)
こげ茶色
強い苦味があり、甘みと酸味は少なくなります。スモーキーな香りがします。コーヒー豆の表面に油の光沢が出てきます。
8. イタリアンロースト(Italian)
黒に近い茶色
とても強い苦味と、若干の甘味があります。現在ではイタリアでもほとんど行われていません。
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