旧正月に生ガキは食べない方が吉!ノロウイルスでヘロヘロになった話
お正月は中国や台湾同様、旧正月がメインの韓国。
2022年の旧正月は2月1日でした。
ミョヌリ(韓国語で嫁の意)の皆様、旧正月のお勤め、お疲れさまでした。
(旧正月については過去記事も下にリンクを張っておくのであわせてどうぞ!)
この旧正月の食卓で出された一皿の生ガキ。
ここから悲劇が始まりました。
生ガキには要注意!
世の中はここ2年というもの、感染症といえば新型コロナウイルスしかないかの如く、コロナ一色でしたが、もちろんほかにも感染症はいろいろありますね。
中でも特に、非常に強い感染力を持ったウイルスに、ノロウイルスがあります。
ノロウイルスの脅威の感染力
ご存じの方も多いと思いますが、ノロウイルスは特に冬に猛威を振るうウイルスで、ノロウイルスに汚染されたカキなどの2枚貝を生食または十分に加熱せずに食べると感染し、食中毒を引き起こすことで有名です。
感染すると、1,2日の潜伏期間の後で発症し、嘔吐と下痢を繰り返します。
そのうえたちの悪いことには、感染した患者の吐しゃ物や排泄物から2次感染が起こりやすいことです。なんでも、たった1gの便の中に100万~1兆ものウイルスがいるのだとか。
吐しゃ物などが乾燥すれば、そこからウイルスが空気中に飛び散って、それを吸い込むことでも感染してしまうそうです。
患者の症状がなくなってからも、1か月間もウイルスは排出され続けるそうなので油断できません。
恐ろしい感染力ですね。
ノロウイルスで胃腸炎になってしまった!
1月31日
うちの男たちは3代みんな生ガキが大好きなんです。
今回義父のたっての希望で海辺に住む義弟家族が用意してくれたカキが、韓国の赤い付けダレ、チョコチュジャンとともに正月前夜の夕食に並びました。
もちろん生食用で、義妹は凍らせて持ってきました。
私は嫌いなので極力食べませんが、今回は夫が「おいしいから一つ食べてみて」と私のご飯の上に小さいのを一つ置いてくれたのでそれだけを食べました。
2月1日
翌日の晩の事。
まず長いお手洗いから出てきた夫がおなかの不調を訴えます。
その時は食べすぎのせいだと思っていて、韓国の民間療法を試したりして床に就きました。
その深夜3時ごろ、息子が口を押えてお手洗いに飛び込む音で目が覚めました。
息子はその後もひっきりなしに朝までずっとお手洗いに駆け込み続け、ひどい嘔吐と下痢を繰り返していました。
これは尋常でないと気が付きました。
2月2日
翌朝は連休最終日で家に帰る日ですが、夫と息子は布団から起き上がれずぐったり。
私は寝不足なうえに家事や荷造りでくたくたでしたが、家まで運転もすることになってしまいました。
軽い渋滞に巻き込まれて寄った高速のサービスエリアでお手洗いに入ったら、まさかの私も下痢…😿
幸い吐き気はなかったので、家までの約3時間無事運転して帰ってこられました。
翌日病院で薬を処方してもらい、家族で白粥三昧の生活をしました。
つけておいた梅干しが大量消費できました。
お粥に梅干しは最高の相性です♡
それで2日ほどで何とか普通の生活に戻れそうだったのですが…。
2月7日
なぜか一番軽症だったはずの私が、帰宅6日目の朝からひどい下痢がぶり返してしまいました。
もしかしたら2次感染したのかもしれません。
その日は1日で30回もお手洗いのお世話になるという人生で初めての体験をしてしまいました。
微熱もあり、腹痛、吐き気、頭痛、胃の痛みと水のようなエンドレスの下痢で死にそうにつらかったです。
2月8日
翌日には下痢は止まったものの、前日ほとんど何も食べていなかったせいかひどいめまいと頭痛と胃痛と微熱で起き上がれず、夫に代わりに病院へ行ってもらってお薬をもらってきてもらいました。
結局7日から3日間はほとんどおかゆ以外何も食べられず、3日で3㎏も痩せました。
(体調は悪くても〇年ぶりに独身の頃の体重に戻ってちょっと嬉しかったりします。😅)
食事の準備は、その時々で家族でできる人がして何とかしのぎました。
(息子の作ったお粥がおいしくて感動しました✨)
今はほぼ治りましたが、胃のしくしくするような違和感はまだ残っています。
義父は義父で実は同じく発症していて、大変なようでした。
お薬について
ノロウイルス感染症そのものに効く抗ウイルス薬はないため、お薬は対症療法になります。
私が処方していただいたのは、胃腸の運動を調節する錠剤、非ステロイドの消炎鎮痛剤、整腸剤のカプセル、そして、甘くてドロッとした白い液状の止瀉剤(スタビック)でした。
この止瀉剤が個人的には助けになった気がします。
「胃腸の粘膜保護、有害物質を吸着排泄(毒素、細菌、ウイルス)」とパッケージに書いてあり、空腹時に飲めばいいので、夜中に胃が痛くて眠れないときに飲んでゴロンと胃全体に流すようにしてやると幾分痛みが和らいだようでした。
この薬物は体内に吸収されないとも書いてありました。
一応写真も載せておきます。
驚きの生命力のノロウイルス
今回、凍らせて持ってきた生ガキに当たったことからわかる通り、なんと凍らせてもノロウイルスは死なないのだそうです。
びっくりです。
手洗いはもちろんとても大事ですが、コロナと違って、アルコール消毒はあまりきかないそうです。
十分量の消毒用エタノールに30秒間接触させるか、拭く場合は2度ぶきが必要です。
衣服などの消毒には塩素系漂白剤を薄めたものが有効だということです。
カキ自体は中心部の温度85度以上で90秒加熱すれば感染を防げます。
頑固者の義父もよほど堪えたのか、「これからカキは火を通して食べよう」と言っていました。
ノロウイルスに気を付ける時期は?
病院で夫がお医者様に効いたところによると、今韓国ではノロウイルス患者が多いそうです。
2月には食べない方がいいとも聞いてきました。
そういえば昔Rの付く月(9月~4月)以外にはカキを食べるなという話を聞いたことがあったなと思い出しましたが、調べてみると、これはノロウイルスとは関係がないようです。
例えば東北の三陸海岸で養殖されている真牡蠣の旬は11~3月だそうですが、日本海側を中心に養殖されている岩牡蠣の旬は5~8月で、すでにRの月から外れています。
「花見過ぎたら牡蠣食うな」という言葉もあるようですが、これも当てはまりませんね。
種類によっても産地によっても旬にばらつきがあり、年中流通している牡蠣。
ではいつが危険なのでしょう?
厚生労働省のホームページにあった「ノロウイルスを原因物質とする食中毒発生状況」のデータは一つの参考になりそうです。
明らかに冬の発生件数が多いですね。
別のデータでは、海水温が低い(10度以下)と健康被害が増えるともありました。
では冬には生で食べられないというのかというとそういうわけでもないようです。
時期だけでなく牡蠣の生育環境が清浄であるかどうかも重要です。
ノロウイルスは感染した人から排泄され、下水処理場の処理を一部かいくぐって海へと流れ込み、植物プランクトンに付着して牡蠣に食べられて牡蠣が汚染されるという仕組みで人間の口に入ってきます。
(だから、大雨が降った後などは要注意です。)
日本の牡蠣は生食用カキの養殖場は沖合に設置されていますし、紫外線殺菌海水で浄化処理などもされているようですが、韓国の牡蠣がどうなっているかまでは私も知りません…。
どこでどんな牡蠣を買うかも重要です。
私が韓国の大型マートで今まで買った生食用牡蠣で当たったことは一度もありません。
今回食べた牡蠣は市場で買ったものでした。市場の牡蠣は注意した方がいいかもしれません。
このようにある程度注意はできますが、はっきりとこれが安全と言い切れる基準は残念ながら見つからないので、私はやはり牡蠣は今後は加熱して食べたいです…。それが一番確実なので。
日本も韓国も今は新型コロナのオミクロンが猛威を振るっていますが、それ以外の病気にも十分気を付けて、皆さま健康にお過ごしくださいね。
くれぐれもうちのようになりませんよう・・・。
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