【世界の産地別コーヒー】ブラジル産コーヒー~サントスNo.2
今日は生産量世界一の南米ブラジルのコーヒーについて調べてみました。
ブラジル産コーヒーの基本データ
生産量:世界第1位(330万トン/年)
世界の生産量に占める割合:35%
主な種:アラビカ種80%、ロブスタ種20%
主な品種:ブルボン、カトゥアイ、アカイア、ムンド・ノーボ、イカトゥ、マラゴジーペ、オバタン
収穫期:5月~9月
生産処理:ナチュラル、パルプトナチュラル、セミウォッシュト、フリーウォッシュト
ブラジルのコーヒーの生産形態と特徴
ブラジルでは1727年にコーヒーの栽培が始まりました。赤土の肥沃な大地がコーヒーの生産に適していたことからブラジル全土に広がります。
1908年に日本から笠戸丸で800人が海を渡って以来、約30万人の日本人がブラジルに移民としてわたり、コーヒー産業の発展や機械化に寄与しました。
1920年にはブラジルのコーヒー生産量は世界の80%を占めていましたが、他国の増産に伴い、現在は約35%です。
1975年に壊滅的な冷害に見舞われたことを受け、ミナス・ジェライス州などに新たなプランテーションが多く設立されました。今ではこの州だけで国内生産量の約半数に上り、世界第二位の生産量のベトナムに匹敵します。
ブラジルの豊作不作が世界のコーヒー価格に直接影響を及ぼすそうです。
ブラジルの農園数は0.5~10000haまで大小さまざまでおよそ30万、生産プロセスの大部分が機械化されています。大農園は「ファゼンダ」と呼ばれ、多くが収穫時に機械を使っています。そのため収穫してから分別する方法を取っています。ブラジルでは機械で収穫しやすいように平地に整然と並んで木が植えられています。
国内消費は全生産量の半分に達します。
ブラジルの人は濃く淹れたデミタスを1日に10~20杯も飲むそうです。朝はミルク入り、それ以降はブラックが多いようです。
コーヒーの格付け方法
ブラジルでのコーヒーの格付けは、300g中の欠点数と、スクリーンサイズ、カッピング(味)によってなされます。
スクリーンサイズが17/18以上のラージビーンで、欠点数が4点以内が最高等級のブラジルサントスNo.2です。「サントス」は出荷される港の名前に由来します。
輸出できるのは欠点数のグレードNo.6以上、スクリーンサイズ16以上とされています。
グレード | 欠点数
(ブラジル方式) |
No.2 | 4 |
No.3 | 12 |
No.4 | 26 |
No.5 | 46 |
N0.6 | 86 |
(No.1はほぼ流通していないのでNo.2が最高等級とみなされます。)
味の分類 | 味 |
ストリクトリー・ソフト (Strictly soft) | 十分になめらかで甘みのある味 |
ソフト (Soft) | 滑らかで甘みのある味 |
ソフティッシュ (Softish) | あまり甘みがない味 |
ハード (Hard) | 鋭い刺激がある味 |
リオイ (Rioy) | 軽いヨード・ホルム臭 |
リオ (Rio) | ヨード・ホルム臭 |
ブラジルサントスNo.2
特徴:柔らかな苦味。味のバランスがよく、癖が少なく、飽きが来ない。
焙煎度:中煎り~深煎り
楽しみ方:ストレート、ブレンド、アイスコーヒー
コーヒーの主な生産地区
サン・パウロ州
サン・パウロ州で最も有名な産地モジアナは比較的乾いた気候でナチュラル処理のアラビカ豆の多くがここで生まれます。
セラード(サン・パウロ州)
平地が続くセラードは機械での収穫に適しています。大規模農園が90%を占めナチュラルで処理されています。
スル・デ・ミナス(ミナス・ジェライス州)(最高海抜1600m)
ブラジル最高と言われるコーヒーです。涼しい気候の高地で柑橘系のフルーティな味わいや、花のような風味が生まれます。
マタス・デ・ミナス(ミナス・ジェライス州)(最高海抜1200m)
小規模農園が半数を占め、年間を通して収穫が行われる山地です。比較的寒冷な気候で、濃厚で甘く程よい酸味があります。
エスピリト・サント州
生産量は国内第2位で、80%がロブスタ種です。南部の海抜1200mの高地で少量のアラビカ種が栽培されています。
バイーア州
ジャパーダ ディアマンティナとプラナルトのアラビカ種は国内屈指の品質です。南部では機械化された大規模農園でロブスタ種を栽培しています。
参考文献
『コーヒーの基礎知識バリスタテクニック・100のレシピCOFFEE BOOK』Anette Moldvaer著 誠文堂新光社
『知れば知るほどおいしく飲めるコーヒー辞典』藤田政雄著 日本文芸社
『極める愉しむ珈琲辞典』西東社
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