ペルー産コーヒーの歴史、特徴、産地~カフェ・ウチュニャリとは?
マチュピチュなど、インカ帝国の遺跡で有名な、南米の太平洋側に位置するペルー。ここでは口当たりとバランスがよく土とハーブの風味が特徴の高品質のコーヒーが生産されています。カフェ・ウチュニャリなどのちょっと変わったコーヒー豆もあります。今日はペルーのコーヒーについて調べました。
ペルーのコーヒーの基本データ
世界の生産量に占める割合:3%
生産量:世界第7位(34万6千トン/2017年)
主な種:アラビカ種100%、ロブスタ種0%
主な品種:ティピカ、ブルボン、カトゥーラ、パチェ、カティモール
収穫期: 5月~9月
生産処理:ウォッシュト
ペルー産コーヒーの歴史、生産形態と特徴
コーヒーがペルーに伝わったのは1700年代のスペインによる植民統治時代でした。アンデス山脈が連なるペルーは高地が多く、高品質のコーヒーが産出されます。中部地域のチャンチャマイヨ渓谷はコーヒーの産地として有名で、標高1000m以上で栽培される豆はマイルドな酸味を持ち、飲みやすい口当たりです。
生産量の90%は約12万の小規模農園で、2ヘクタール前後の敷地で栽培しています。豆は伝来当初からのティピカが今も多く栽培されており、種類はそれほど多くありません。
また、世界でも有数のオーガニック認証やフェアトレード認証のコーヒー豆の輸出国です。
ペルーのコーヒーの格付け方法
ペルーでの格付けは、処理方法がナチュラルかウォッシュトかに分けられたうえで、欠点豆の選別方法によってなされます。
風圧選別、電子選別、手選別をすべて行ったエレクトロニックソーテッド&ハンドピックト(ESHP)が最高等級とされます。
その次の等級は上記選別法のうち手選別(ハンドピック)を行わないエレクトロニックソーテッド(ES)です。
その下の等級は手選別(ハンドピック)も電子選別も行わない代わり機械による風圧選別を2回施したマシン・クリーンド・メホラド(MCM)です。
さらにその下の等級は機械による風圧選別を1回だけ施したマシン・クリーンド(MC)となります。
ペルー
特徴:コクは軽め、バニラナッツ風の甘み
焙煎度:中煎り~やや深煎り
楽しみ方:ストレート、ブレンド、フレーバーコーヒー
カフェ・ウチュニャリ
インドネシアでは、ジャコウネコが食べて排泄したコーヒー豆のコピ・ルアクが有名ですが、ペルーではジャコウネコではなく、ハナグマ(ウチュニャリ)が食べたコーヒーチェリーが消化され、排せつ物として出されたコーヒーの種を脱穀して作るコーヒー豆、カフェ・ウチュニャリが有名です。ハナグマはアライグマ科の体長40~60㎝の雑食の動物で、鼻先や顔に入った白い模様と長いしっぽが特徴です。嗅覚の鋭いハナグマは完熟したコーヒーチェリーだけをを選んで食べるため、優しい酸味と上品な甘さが特徴の高品質のコーヒーとなります。
ペルーのコーヒーの主な生産地区
北部
北部地域ではペルー国内の70%を生産しています。大部分が有機栽培です。
中部
中部地方は海抜1200~2000mの高地で、大半が有機栽培です。ソフトで上品な酸味があり、しっかりとしたコクが感じられます。
南部
小規模の産地です。協同組合経由の出荷が一般的で、豆が混ざっていることもあり、産地の特定は困難です。
参考文献
『コーヒーの基礎知識バリスタテクニック・100のレシピCOFFEE BOOK』Anette Moldvaer著 誠文堂新光社
『知れば知るほどおいしく飲めるコーヒー辞典』藤田政雄著 日本文芸社
『極める愉しむ珈琲辞典』西東社
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