キムチ(김치)の効能とは?韓国が世界に誇る健康食品!
韓国人の食卓に欠かせないキムチ(ハングルで김치)。和食の店でも、中華料理店でも、イタリア料理店でだって、キムチの出てくる率はかなり高いです。日本ではカレーライスには福神漬けですが、韓国ではカレーライスにキムチがなくては始まりません。
このキムチ、発酵食品であり、乳酸菌を多く含むことから、その健康効果についても研究が進むにつれ注目が集まっています。
キムチは世界5大健康食品のひとつ
2006年、アメリカの健康専門月刊誌『ヘルスHealth Magazine』が韓国のキムチを、日本の大豆と大豆食品、スペインのオリーブオイル、ギリシャのヨーグルト、インドのレンズマメとともに、世界5大健康食品(World’s Healthiest Foods)に選定しました。ヘルスは、キムチには多くの食物繊維が含まれており、ダイエット効果があり、ビタミンA,B,Cが豊富で、ヨーグルトと同様に健康に良い乳酸菌を多く含み、がんを予防する物質を持っているとしています。
キムチの健康効果
アトピー性皮膚炎の予防、改善
キムチは体に良いことで注目されている発酵食品のひとつです。発酵とは、酸素がない状態で微生物が炭水化物を分解することでエネルギーを得ることをいいます。この過程で多様な乳酸菌が生まれるのです。
キムチを作る過程で、はじめに塩づけにすることで有害な微生物を殺しつつ、体に良い乳酸菌だけが生育することになります。しかも動物性の乳酸菌に比べて餌となる糖が少ないうえ寒く塩分濃度の濃い環境で育つ植物性の乳酸菌は生命力が強く、胃酸にも負けずに腸まで到達することができるといわれています。
自然発酵のキムチには40種類余りの乳酸菌が1グラム当たり最高1億匹も入っています。これは市販の乳酸菌食品の約4倍になります。
そのうちのいくつかは腸内の微生物環境を改善し、アトピーの予防、改善に効果があるという研究結果が出ています。そのうえ、ビタミンB,C,アミノ酸が乳酸菌により生合成され、原材料の含有量よりも多くなるといいます。
ダイエット効果
マウスを使った実験の結果、キムチを摂取したマウスは高脂肪の食餌を与えても正常なマウスと同程度の減量効果がみられました。これは唐辛子粉に含まれる辛み成分であるカプサイシン、にんにくのアリシンをはじめ、大根、しょうが、ネギなど、キムチの材料の大部分はダイエット効果を持っていることによるもので、適度に発酵させることでさらに効果が上がります。
抗がん効果
キムチの主要材料の白菜などの野菜は大腸がん予防効果があります。また、ほとんどのキムチに入れられているにんにくには胃がん予防効果があります。
便秘予防、改善効果
キムチの主原料である白菜などの野菜に含まれる食物繊維が便秘を予防します。
その他の効果
他にも、抗酸化作用があり、老化防止や美肌効果、動脈硬化予防などの効果がありますし、抗菌作用があるのでインフルエンザ予防効果も期待できます。
キムチを食べるときの注意点
ナトリウムが多い
このように健康に良いこと尽くしのようなキムチですが、一つ気になることがあります。それは食塩の含有量です。白菜キムチ一食分60gあたりでナトリウム(食塩)がおおよそ3~4g含まれています。厚生労働省の、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、生活習慣病の予防を目的とした「目標量」として、ナトリウム(食塩相当量)について、
18歳以上男性: 8.0g/日未満
18歳以上女性: 7.0g/日未満
としていることから、一日3回キムチを食べていたら、キムチで知らないうちに塩分取りすぎになってしまうこともあり得ます。
対策としては、サツマイモなどでカリウムを摂取してナトリウムの排出を促すようにするとよいでしょう。
市販のキムチは発酵食品ではないものもある
上記のような栄養効果が期待できるのは伝統的な方法で漬けた家庭料理としてのキムチの場合です。市販のキムチの中には食品添加物を多量に使用してそれらしい味を出しているだけのものもあります。また、発酵食品は味が発酵が進むととともに変化するものですが、市販品は味に均一性を持たせるためにわざと発酵させないように作られていたりもします。化学調味料などの食品添加物は、発がん性など健康に害を及ぼすおそれがあるとの指摘もあります。体にいいと思って食べたキムチが逆に体に毒になっていたら笑い話にもなりません。
購入する際には是非、化学調味料無添加のものや手作りのもの、できれば韓国産のものを選んでください。韓国の店頭で売られているキムチは、中には発酵が進んでビニールが膨らんできているものもあります。このことからもわかるように、ちゃんと発酵食品だからです。
キムチの漬け方
キムチの漬け方については以前の記事(こちら↓)をお読みください。
参考資料:
千代田病院 http://www.chiyoda-hospital.or.jp/2013042c.html
キムチ博物館(韓国語) http://www.kimchimuseum.com/c/lab/kimchi_science/effect
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000041733.html
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