小学校の放課後活動

こんにちは！韓国在住のはんなです。

名古屋市立の小学校での部活動の全面廃止

2018年の春、名古屋市が名古屋市立の小学校での部活動の全面廃止を表明してニュースになっていました。

教員の多忙化を解消する目的で2020年度限りで部活動を廃止するという内容でした。

私自身が小学生だった時も任意参加の部活動がありました。たしか、男子サッカー部と女子バスケットボール部、それに合唱部です。私も合唱部に所属して、合唱コンクールに出場しました。

2018年3月9日付ヤフーニュースの『小学校に部活動？　全国の実態に迫る　名古屋市における「廃止」の決定から部活動の未来を考える』によると、2017年の政令指定都市の小学五年生の運動部の加入率は、浜松市、名古屋市、京都市、熊本市が高く、40％代後半から60％代前半です。名古屋市の場合、市立の全261校で部活動が設置されていて、4～6年生の7割が参加しているということです。また、名古屋市を除く愛知県でも、全公立小学校のうち8割で部活動が実施されています。

教員の負担

このような日本における部活動の指導は、教員に任されていています。

中には経験もない部活の顧問にされたりする場合もあり、土日が遠征試合でつぶれることも珍しくありませんが、なんと、残業代は出ないというのです。

「2017年から学校にタイムカード制度を導入したことにより、過労死ラインといわれる月80時間以上、勤務時間外に学校で仕事をしている教師が多数いると明らかになった。それにもかかわらず教員には超過勤務手当が支給されないことが法律で定められており、現状、時間外労働は無償で行われています」（『部活は教師への負担大、残業代出ないが休むと親から苦情』より）

 

韓国の小学校の放課後活動「パンガフ(방과후)」

では、韓国の小学校では放課後の活動をどのように行っているのでしょうか。

韓国も放課後に学校で行える活動があっていろいろ選べます。

放課後に行われることから放課後学校という意味の「パンガフハッキョ(방과후)학교」とか、放課後授業という意味の「パンガフスオｐ(방과후수업)」、略して単なる放課後を表す韓国語「パンガフ(방과후)」などという名前で呼ばれています。

その種類は学校ごとに異なりますが実に多様で、バドミントンやサッカー、チアリーディングなどの運動系、バイオリンや、テグム、ヘグム、ピリといった韓国の伝統的な楽器、クラシックギター、ウクレレなどの音楽系、美術や陶芸、クレイ、レゴなどの芸術系、英語や中国語、日本語などの語学系、珠算式暗算、読書論述、漢字、歴史などの勉強系、ほかにもコンピューターやコーディング、ロボット、生命科学に建築、宇宙工学、囲碁など、多岐にわたります。

各活動はたいていは週に1～2回（英語は毎日）あるので、これらの中から曜日や時間が重ならないものを選んで申請します。ひとつもやらない子もいますし、3つも選択してやっている子もいます。

パンガフは外部の講師が有料で指導する

ここで大切なことは、大部分が有料で、講師はすべて外部から募集するということです。（一部、公的補助が出て無料になる場合があります。）

学校側が募集の案内をしてくれることとまとめて集金してくれること、場所を提供してくれること以外の管理や連絡は、講師が行います。

受講費はたいていは1科目あたり3か月で9万ウォン（約9000円）プラス材料費です（2018年調べ）。各家庭の教育費の負担を減らすために塾よりも安く設定されています。

授業は1年を4分期に分けて3か月ごとに更新されます。

 

韓国のパンガフの良いところ

日本の部活しか知らなかった私は最初このやり方にとても驚きましたが、いいところも多いことに気づきました。

教師の負担減

まず、教師にとっては、放課後活動の負担がほとんどなく、教員はほぼ定時に帰宅できることです。

話はそれますが、韓国では家庭訪問もありませんし、個人面談も保護者が希望しなければ電話でしてもいいし、しなくても済みます。日本の教師に比べてこれだけでもずいぶん楽なのではないかと思われます。

子どもの教育の機会の多様化

それから、子どもにとっては多様な教育を学校から出ることなく受けられることも利点です。

日本の部活は1種類を選択して年単位で習得していきますが、パンガフは興味のあるものを複数個学ぶことが可能です。

また私教育にしても、下校して家から通える範囲にある習い事は特に地方ではどうしても種類が限られてしまいます。

それに対し、パンガフは外部から講師を呼ぶので来てくれる講師がいさえすれば多様な授業を開設できます。

各学校では一定期間ごとにアンケートを取り、常にニーズに合った内容の科目に入れ替えて設置するよう努めているようです。

講師人材の活用及び就業支援

いろいろな技術を持った講師にとっても、就職口となり、ひいては独立するための足掛かりとなっているようです。

学校で一定期間教えてから、独立し、学校の近くに塾を開設すると、学校で得た信頼から教え子がそのまま塾についてきてくれたりするからです。

 

日本は変化が遅い国

韓国に来て思うことは、韓国は決定が速く、変化が速いということです。よさそうだとなると、あっという間に変えてしまいます。その分失敗と思われることも多いわけで、必ずしもそれが最善とは言えませんが、日本は逆に決定が遅すぎると思います。何度も吟味して失敗は少ないかもしれませんが、それではこの変化の速い時代に取り残されてしまいます。韓国と日本の中間ぐらいがいいと個人的には思います。

部活動の制度についても、日本は私が子供のころやそれ以前からずっとそのまま変わっていないように思います。名古屋市の例からも、そろそろ日本も変革の時ではないでしょうか。

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【参考資料】

小学校に部活動？　全国の実態に迫る　名古屋市における「廃止」の決定から部活動の未来を考える

https://news.yahoo.co.jp/byline/ryouchida/20180309-00082499/

 

部活は教師への負担大、残業代出ないが休むと親から苦情

http://news.livedoor.com/article/detail/14546207/

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