驚きの韓国版のセンター試験、スヌン(수능:修能)事情!飛行機も着陸できない?
こんにちは!韓国在住のはんなです。
日本では11月に入ると、受験生の皆さんはいよいよ1月のセンターに向けてラストスパートといった感じですよね。
韓国版のセンター試験、スヌン(수능:修能)
こちら韓国にもセンター試験のような共通試験があります。みんな略してスヌン(ハングルでは수능:修能)とかスヌンシホm(수능시험:修能試験)とか言いますが、正式名称は大学修学能力試験(デハk スハk ヌンリョk シホm:대학수학능력시험)と言います。
このスヌンが日本よりもだいぶ早い11月にあります。でも韓国は年度が3月はじまりなので、実際にはほんの少し早いだけですね。2018年のスヌンは11月15日の木曜日で残すところ一週間を切りました。
スヌンの受験科目は、英語、数学、国語、科学探求、社会探求、第2外国語・漢文です。
スヌンの時間割(タイムテーブル)と設問数
以下は2018年11月15日実施のスヌンの時間割です。一番右の数字は設問数。表の下に日本語訳載せておきます。
1限目 国語
2限目 数学
昼食
3限目 英語
韓国史
4限目 探究演繹:2科目選択
探究演繹:1〜2科目選択
5限目 第二外国語/漢文
スヌンの日はすべてが受験生のために配慮される韓国
大学進学率は8割以上、学歴偏重の韓国ですから、大学入試と言ったらそれはもう国家を挙げての一大事なのでしょう。驚いたことに、この日は小中学校や一部の会社の始業時間が普段より1時間ほど遅くなります。受験生の交通に不便がないようにだそうです。さらに、スヌンの後のニュースでは、パトカーや白バイに送られて受験会場に到着する受験生が報じられたりしていてびっくりです。警察が遅刻しては大変と送ってくれるなんて、日本では考えられませんよね。人情に篤いお国柄が出ていますね。
さらに英語のリスニングの試験の時間には、試験場周辺はバスや電車が徐行するのはもちろん、なんと国内のすべての飛行機の離着陸が禁止されるというから驚きです。リスニングの間は約30分間にわたって、着陸待ちの飛行機が上空をぐるぐる旋回しているという異常事態が起こるのだそうです。
他にも株式市場の開始時間も遅くなります。スヌンは学歴社会の韓国では人生を決定する一大事です。だからここまで気遣うのです。
合格祈願のプレゼントの定番はお餅
スヌンの時によく売れるものがあります。
それは合格餅(ハpキョkトk:합격떡)と呼ばれる餅や饅頭です。
日本語では試験に合格することを『試験に受かる』といいますが、韓国語では『試験にくっつく(シホメ プッタ:시험에 붙다)』と表現します。この『くっつく(붙다)』という言葉が餅がくっつくのと掛けられて合格祈願には餅や饅頭、飴やヌガーなどをプレゼントする習慣があるのです。
日本で合格と五角形がかけられて合格鉛筆が売られるのと似ていますね!
(2021年追記)最近ではケーキやマカロン、パイ、チョコなどの洋菓子や、スタバなどのカフェのスマホで送れる金券などが主流になってきたようです。スヌンの1週間くらい前からケーキ屋さんは書き入れ時です。
お母さんたちの合格祈願
スヌンの朝には試験会場の前は騒然とします。受験生だけでなく、高校の先生や後輩たち、お母さんたちどが応援に駆け付けるためです。横断幕を持ってくることも珍しくありません。
でも応援は当日の会場だけで行われるのではありません。その数か月前からお寺や教会などで受験生のためのお祈り会が行われています。主にお母さんがお祈りしているのですが、何時間も、時には食事を抜いたり徹夜したりと、とても熱のこもったお祈り会が行われています。当然、スヌン当日は一日中お母さんたちのお祈りが絶えることはありません。良い大学に行くことがその子の一生を左右するといっても過言ではない超学歴社会の韓国だからこそなのでしょう。
スヌンの後は受験生割引の嵐
試験が終わったらとりあえず存分に解放感を味わいたいと思うのは人間の常ですよね。
その心理を企業は見逃しません。スヌンの後はあちこちで受験票を見せれば受験生割引が受けられます。映画、公演、展示会、外食、デパート、遊園地、美容院に旅行まで、ここぞとばかりに割引合戦が行われます。
でも開放感は束の間。実際には各大学ごとの試験が後に控えています。心置きなく休めるのはもう少し先でしょう。
韓国は知れば知るほど面白い国です。もしスヌンの日に韓国に来られる際は、こんなことが繰り広げられているってことも頭の片隅に入れておくといいかもしれませんね。
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