韓国の珍味サンナクチ산낙지(活きだこ・タコの踊り食い)
世界10大珍味サンナクチ(산낙지)
世界にはいろいろな変わった食べ物がありますが、韓国にもいろいろと物珍しい食べ物があります。今までこのブログでも、タッパルとかスンデ、ポンデギ、ホンオなどを紹介してきました。
今日はサンナクチ(산낙지)を紹介します。
サンナクチ(산낙지)とは?
산サンは「生きた」、낙지ナクチは「タコ(テナガダコ)」を意味します。つまり名前がそのものずばり、生きているタコ!
そう、サンナクチ(산낙지)とはタコを生きたまま食べる料理なのです。
목포(モッポ・木浦)の郷土料理セバルナクチ(세발낙지)の豪快なたこの踊り食い
![生きているセバルナクチ](http://hanna.main.jp/wp-content/uploads/2020/01/44764852-FB7A-4B3F-B468-73F1D6D6CA08-e1577950566846.png)
生きているセバルナクチ。このまま割りばしに巻き付けて食べます。
목포(モッポ・木浦)という、全羅南道、韓国南西端に位置する港町がナクチの産地で有名なのですが、ここではセバルナクチ(세발낙지)と呼ばれるまだ成長途中で足の細い小さいタコを切らずに生きたまま割りばしに巻き付けて豪快にかぶりつく食べ方をしたりします。
![セバルナクチの食べ方](http://hanna.main.jp/wp-content/uploads/2020/01/C8D7518A-9041-44D7-A7AD-8272B2750CD6.png)
生きたたこを一匹捕まえて、頭を持って足を数回手でしごくと気絶します。頭の下から割りばし2本を突き刺して足をくるくると割りばしに巻き付け、足の端を指で押さえたまま塩とごま油を混ぜたたれにつけて思い切りよく一口でほおばってしまいます。大切なのはよく噛むことだそうです。
以前紹介したキム・レウォン主演の韓国映画「Long Live the King:木浦の英雄」の中の一場面でもこの食べ方が出てきていました。(映画ではタコが生きが良すぎて器から脱走していましたね。)
「Long Live the King:木浦の英雄」より
でもタコのほうも必死で食べられまいと足をくねらせ吸盤を口の中も外もかまわずあちこちにくっつけてきますから、いくら小さいとはいえ下手をすると窒息の危険もある危険な食べ物です。
ナクチは元気回復に良いとされ、「干潟の高麗人参」の異名があるほど、栄養価が高いとされます。
モッポだけでなく、ムアンやシナン(シンアン)など、韓国西海岸でよく食べられます。8月~9月ごろが時期です。
タコのぶつ切りサンナクチ(산낙지)の食べ方と食感
でもこんな豪快にタコを丸ごと出すのは稀で、ふつうは生きのいいタコをブツ切りにして、ごま油と塩で食べます。切るときのタン!タン!タン!という容赦のない包丁の音から「タンタンイ」と呼んだりもします。
4cmくらいの短いぶつ切りにしてしまうのですが、タコの生命力はすごくて、切られてもお皿の中でかなりうねうね動いてくっついたりしているんです。口の中に入れても口の中にくっついたりします。
グロテスクなのではじめは食べるのを躊躇してしまうのですが、勇気を出して食べてみるとこれがものすごくおいしいのです。まったく生臭くはなく、コリコリした触感が面白いです。ごま油と塩だけのシンプルな味付けも癖がなくてタコ本来の味が楽しめていいです。
2009年にはオーストラリアの旅行サイト「バーチャルツーリスト」が選ぶ「世界10大珍料理」に選ばれたこともあります。
秋はこのサンナクチ(산낙지)の季節です。秋に韓国に来ることがあったら、この韓国の珍味サンナクチ(산낙지)に是非一度トライしてみてください。きっと忘れられない経験になることでしょう。
【おすすめの記事】
【韓国料理】コラーゲンたっぷり鶏の足(もみじ)タッパル닭발を食べてみた!
【食レポ】韓国のゲテモノ「ポンデギ(번데기)」とは?味は?食感は?
韓国のB級グルメ・トッポッキ、スンデ、おでん、ティギム、キムパプ
【韓国名節料理】秋夕(チュソク추석)の食べ物10選(全羅南道チョルラナムド전라남도の場合)
2019年最大の満月が見られる小正月!韓国ではチョンウォルテーボルム!風習と食べ物を紹介