コーヒーのいろいろな抽出方法と抽出器具
コーヒーと一言で言っても、奥が深くてそのどのようにいれるか、何をどんな割合で混ぜるかなどによって種類は実に多様です。
ここではその抽出方法に注目して、それぞれどんな抽出器具を使ってコーヒーの抽出ができるのかをご紹介します。
コーヒーの抽出方法について知ろう
ドリップ、ネルドリップ、ウォータードリップ、エスプレッソマシン、モカポット、サイフォン、パーコレーター、イブリック・・・まだ他にもあります。これらすべてコーヒーの淹れ方やコーヒーを入れる道具です。多いですよね。抽出方法がそれぞれ違うのです。どう違うのでしょうか?
コーヒーの抽出方法は大きく分けると浸出式と透過式の2種類に分けられます。
浸出式(浸漬式)と透過式(ろ過式)
浸出式(浸漬式):
古い歴史を持つ抽出方法で、その名の通り抽出容器に粉砕したコーヒーを入れて熱いお湯を入れたり、または水から加熱したりしてコーヒー成分を抽出する方法。
透過式(ろ過式):
粉砕したコーヒーを紙や金属などのフィルターに入れて、お湯を一度だけ透過させることによってコーヒー成分を抽出する方法。
ではそれぞれの抽出方法について、さらに細分化して、その代表的な抽出器具とともに見ていきましょう。
1.浸出式(浸漬式)の抽出方法
1-1.湯に浸す(steeping):フレンチプレス
抽出容器の中に熱湯とコーヒー粉を入れて混ぜる方法。
フレンチプレス(French press)がこのタイプです。
フレンチプレスでの抽出方法を簡単に説明します。
まず蓋を開けて、粗挽きに挽いたコーヒー豆を一杯当たり7gほどフレンチプレスの中に入れます。
次に沸かしたお湯(90℃~95℃)を注ぎ入れます。
マドラーなどでコーヒー粉が湯になじむように軽く混ぜ、蓋をかぶせて4分ほどかけてゆっくりと抽出します。 4分経ったら、プランジャーを押し下げて出来上がりです。
1-2.煎じる(decoction):トルコ式コーヒー
抽出容器の中に水とコーヒー粉を入れて混ぜ、加熱する方法。
イブリックで入れるトルコ式コーヒー(Turkish coffee)がこのタイプです。
1-3.滲出させる(percolation):パーコレーター
抽出容器の中のコーヒー粉に熱せられたお湯が何度も透過を繰り返しながら循環する方法。
パーコレーター(Percolator)がこのタイプです。熱せられたお湯が管を通って上り、噴水のように上から噴き出しては何度もフィルターを透過していくので、うえがガラス製になっている物をキャンプなどで使うと目でも楽しめますね。
1-4.真空ろ過する(vacuum filtration):サイフォン
下部容器の水を加熱することで発生する蒸気圧で湯が管を通して上に上り、すかさず上部容器内のコーヒー粉と混ぜてやることでコーヒーが抽出され、加熱をやめることによって圧力が下がり、抽出液が下部容器にたまるという方法。
サイフォン(Syphon)がこのタイプです。もともとの名前はバキューム・ブリュワー(VacuumBrewer)とか、バキュームポット(Vacuum Pot)と言います。
これもガラスの容器が理科の実験器具のようで目で見て楽しめます。ランプのような火を使っても温かい雰囲気がありますが、電気で熱するタイプのいろいろな色の光が出るものもあって、薄暗い部屋で使うととても幻想的です。
2.透過式(ろ過式)の抽出方法
2-1.ドリップろ過する(Drip filteration):ドリップ、コールドブリュー
抽出容器内のコーヒー粉にお湯が一度だけ透過することで抽出する方法。
コーヒーメーカーや、各種ドリップ式の抽出がこれに当たります。ペーパードリップ、ネルドリップの他に、ウォータードリップ(別名コールドブリュー、ダッチコーヒー)も含まれます。
ペーパードリップの淹れ方についての詳しい記事はこちらをクリック。
コーヒーメーカーは種類が豊富で身近で手軽なコーヒー器具です。
ネルドリップはおいしいですが、ネルフィルターの管理が大変です。こだわりたい人向けですね。
本格的なウォータードリップの器具は大きく面白い形をしていて見ていて飽きません。そして味もすっきりおいしく、コーヒーを下ろしてから比較的保存がきくこと、濃縮なので持ち運びに便利なことなど、利点も多いです。でもコーヒーを抽出するのに何時間もかかるので瓶詰になっているものを買うのがいいかと…。
2-2.加圧抽出する(Pressurized infusion):モカポット、エスプレッソマシン
2~10気圧に加圧されたお湯がコーヒーケーキを通過することで抽出する方法。
モカポット(イタリアではマキネッタ)や、エスプレッソマシンがこれに当たります。ちなみに、エスプレッソマシンで抽出されたエスプレッソを使って、カフェラテやカプチーノ、カフェモカにキャラメルマキアット、アフォガトーなどのカフェでおなじみのメニューが作られます。(カフェラテとカプチーノについてはこちらで解説しています。⇒カフェラテとカプチーノとカフェオレの違いって?区別の仕方を要点を絞って分かりやすく解説!)
モカポットはイタリアではほとんどの家庭にあるとても一般的な器具で、エスプレッソマシンがなくてもエスプレッソが楽しめます。
エスプレッソについて詳しくはこちらをご覧ください⇒エスプレッソとは?クレマとは?アメリカーノとは?
淹れ方が違えば、風味が変わるのはもちろんのこと、当然それぞれに合った豆の挽き具合(メッシュ)も要求されます。それについてはまた後日改めて書いていきたいと思います。
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