ゲイシャで有名なパナマ産コーヒーの特徴、格付け、産地
中米に位置するパナマはコーヒーの生産量はそれほど多くはないですが「ゲイシャ」という品種でとても有名です。今日はパナマのコーヒーについて調べました。
パナマコーヒーの基本データ
世界の生産量に占める割合:0.08%
生産量:世界第46位(5700トン/2017年)
主な種:アラビカ種90%、ロブスタ種10%
主な品種:ティピカ、カトゥーラ、カトゥアイ、ゲイシャ、ブルボン、ムンド・ノーボ、バカマラ、マラゴジッペ
収穫期: 12月~3月(10~4月)
生産処理:ウォッシュト、ナチュラル
パナマ産コーヒーの生産形態と特徴
パナマ産のコーヒーは、2004年にパナマスペシャルティコーヒー協会の主催する品評会、ベスト・オブ・パナマの大会で優勝した、ラ・エスメラルダ農園のゲイシャ種に国際オークションで史上最高値が付いたことで一躍有名になりました。
その後もゲイシャは連続優勝し、他のコーヒー農園からの苦情で出場停止になったほど圧倒的な強さを誇りました。このことをきっかけとして、以来パナマではゲイシャの生産に力を入れるようになりました。
チリキ県西部は、理想的な気候とバル火山の火山性の肥沃な土壌、高い標高に恵まれ、ゆっくりと熟した実は甘みとバランスの良さに加え、丸い口当たりと飲みやすさが特徴です。ほとんどの豆はこの地域で栽培されており、アラビカ種のカトゥーラやティピカがこの産地の主流です。
小規模~中規模の家族経営農園が多く、優れた生産処理場と整ったインフラが備わっています。
しかし、開発で農地が脅かされており、生産量は減少傾向にあります。
パナマのコーヒーの格付け方法
パナマでの格付けは標高差によって3段階に分けられます。標高1350m以上で生産された豆が最高等級でストリクトリー・ハード・ビーン(SHB)、次は標高1050m以上1350m未満で生産された豆のハード・ビーン(SHB)、その下が標高900m以上1050m未満で生産された豆でエクストラ・プライム・ウォッシュト(EPW)とあらわされます。
パナマ・ゲイシャ
ゲイシャという名前はエチオピアのゲシャという村の名前から来ているそうです。この豆がコスタリカを経て1963年にパナマに持ち込まれ、栽培されるようになりました。
特徴:「ゲイシャフレーバー」と呼ばれる花やフルーツのような甘い香り、柑橘系のさわやかな味わい、すっきりした酸味が特徴のユニークなコーヒー。
焙煎度:浅煎り
楽しみ方:ストレート、エスプレッソ、アイスコーヒー
パナマのコーヒーの主な生産地区
チリキ県ボケテ
パナマでもっとも古くもっとも有名な産地です。
冷涼で霧が多い環境です。世界屈指の高値が付きます。風味はココアからフルーツまでと幅広く、繊細な酸味があります。
チリキ県ボルカン
国内屈指の標高です。定期的な降雨と肥沃な土壌に恵まれ、甘みと複雑な味わいを持った豆が生まれます。
チリキ県レナシミエント
コスタリカとの国境付近に位置しアクセスは悪いですが、標高は2000mに達し、雑味がなく酸味の強い豆が期待できます。
参考文献
『コーヒーの基礎知識バリスタテクニック・100のレシピCOFFEE BOOK』Anette Moldvaer著 誠文堂新光社
『知れば知るほどおいしく飲めるコーヒー辞典』藤田政雄著 日本文芸社
『極める愉しむ珈琲辞典』西東社
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