【世界の産地別コーヒー】ジャマイカ産コーヒー~ブルーマウンテン
今日は産出量は多くないですが、「コーヒーの王様」と呼ばれる高級品種、ブルーマウンテンが産出されるジャマイカのコーヒーについて調べました。
ジャマイカ産コーヒーの基本データ
世界の生産量に占める割合:0.01%
生産量:世界第45位(6,200トン/2017年)
主な種:アラビカ種100%、ロブスタ種0%
主な品種:ティピカ(大部分)、ブルーマウンテン
収穫期: 9月~3月(10~4月)
生産処理:ウォッシュト
ジャマイカ産コーヒーの生産形態と特徴
カリブ海に浮かぶ島国ジャマイカはやはりブルーマウンテン山脈の標高800mから1200mで栽培され、完熟した実のみを手摘みで収穫する高級品質の豆、ブルーマウンテンが有名です。この地方では短期間のうちに何度もブルーマウンテンミストと呼ばれる霧が発生し、昼夜の寒暖差が15℃以上もあり、鉱物が多く含まれた肥沃な土壌にも恵まれているため、香り、味、コクのバランスが絶妙なコーヒー豆が産出されます。
ジャマイカ政府は1953年にコーヒー豆の品質管理を徹底するため、コーヒー・インダストリー・ボード(CIB)を設立しました。特定地域のコーヒーを世界で初めてブランド化した国としても知られています。
ジャマイカ産のコーヒーは甘みがありソフトでまろやかな口当たりで、ナッツ系の風味が感じられます。
ジャマイカ産のコーヒーの格付け方法
ジャマイカのコーヒー(ブルーマウンテン)は、欠点数とスクリーンサイズによって格付けされます。最上品質のものはブルーマウンテンNo.1と表記されます。
グレード | スクリーンサイズ | 欠点数 |
No.1 | 17~18が最低96% | 最大2% |
No.2 | 16~17が最低96% | 最大2% |
No.3 | 15~16が最低96% | 最大2% |
ピーベリー | 10以上が最低96% | 最大2% |
セレクト | No.1~No.3のサイズ | 最大4% |
ブルーマウンテンNo.1
ブルーマウンテンが日本で有名になったのは、日本が輸入し始めた当時、ジャマイカはイギリス領だったため、「英国王室御用達」の宣伝文句で販売したところ人気が出たことからだそうです。1988年にハリケーン・ギルバートによってコーヒー農園が壊滅状態になった時、日本は金銭的に支援してブルーマウンテンを支えました。
ブルーマウンテンの品種はアラビカ種のティピカで、精製方法はウォッシュトです。ジャマイカの法律で定められたブルーマウンテン地区で生産され、法律で指定された精製・加工工場で処理されたコーヒーだけがブルーマウンテンの名を冠することができる大変希少なコーヒーです。世界屈指の高値で取引されるこの豆は、一般的な麻袋ではなく、木の樽に入れて出荷されます。主な輸出先は、日本、イギリス、カナダ、アメリカです。
特徴:なめらかな舌触り、柔らかな味。苦み、酸味、甘みのバランスがよく、ふわりとした上品な甘い香り。柔らかな口当たりで飲みやすく、日本人に人気が高い。
焙煎度:中煎り(ミディアムロースト~ハイロースト)
楽しみ方:ストレート
ハイマウンテン
ハイマウンテンはブルーマウンテンに次ぐグレードで、こちらも木樽に詰めて輸出されます。
特徴:芳醇な香り、まろやかな苦味、適度な酸味
焙煎:中煎り
楽しみ方:ストレート、ブレンド
ハイマウンテン・ピーベリー
コーヒーチェリーの中に通常は種子(生豆)が二つ向き合うように入っているため、表面が平らになったフラットビーンになります。しかし、たまに丸い種子が一つだけ入っていることがあり、これをピーベリーと呼びます。ジャマイカではピーベリーのみを選別しています。一本の木から10%ほどしか取れないピーベリーは形状が丸いため焙煎のムラができにくく良い香味が出ることで知られています。
特徴:豊かな香りとコクと甘み、適度な苦味、まろやかな酸味
焙煎:中煎り
楽しみ方:ストレート
ジャマイカのコーヒーの主な生産地区
東部
ブルーマウンテンの最高地点は2256m。ポートランドとセントトーマスにまたがっており、冷涼で霧が多い気候はコーヒー栽培に最適です。
中部と西部
ブルーマウンテンの名を冠さない地域でも、同じ品種を栽培しています。ただし、海抜が低く、最高で海抜1000mほどです。トレローニー、マンチェスター、クラレンドン、セント・アンにまたがる地域です。
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参考文献
『コーヒーの基礎知識バリスタテクニック・100のレシピCOFFEE BOOK』Anette Moldvaer著 誠文堂新光社
『知れば知るほどおいしく飲めるコーヒー辞典』藤田政雄著 日本文芸社
『極める愉しむ珈琲辞典』西東社
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