「美しい国」日本の悲しい内実 - True Vine

「美しい国」日本の悲しい内実


日本地図
子どものときは、日本は自然豊かで街もきれいで、人も親切で勤勉で秩序を守り、伝統があり、平和を愛するとてもちゃんとしたいい国だと思っていました。日本人に生まれたことを誇りに思っていたし、政治家も信頼していました。

しかし最近、日本の素晴らしい理念や憲法の精神などが、ただの絵空事に過ぎないのではないかと思えてきたのです。

そんなものを思いつくまま集めてみました。

ニッポン、看板に偽りあり!

独立主権国家

え?そこから?と思われる方もいるかもしれませんが、日本はいまや完全な対米従属国家です。

例えば、東京の上空の管制権も米軍が握っていて、日本の民間機は自由に飛べないことはご存知ですか。これは「横田空域」と呼ばれ、1都9県にもまたがる広大な空域です。首都の上空の管制権を外国の軍隊が握っている国なんて、独立国家としてありえません。

横田空域

三権分立

「日本国憲法は、国会、内閣、裁判所の三つの独立した機関が相互に抑制し合い、バランスを保つことにより、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する「三権分立」の原則を定めています。」

・・・本当ですか?

行政

桜を見る会ではこれだけ桜を見る会の疑惑が濃厚になっても、検察は全く動く気配がないのはどうしてですか。森加計の時もそうでした。

調べると、検察庁は行政に属する機関であり、検察官の中で最高位である検事総長の任命権は、なんと内閣にあります。つまり安倍首相が任命した人が検事総長ということですね。検事総長だけでなく、次長検事及び検事長も、内閣が任命し、天皇が認証します。

検察庁は行政機関なので、国家公務員法の規定に基づき、その長である法務大臣は、各検察官に対して指揮命令が可能です。ただし、この指揮権については検察庁法で、「検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」となっており、具体的事案については、検事総長を通じてのみ指揮ができることになっています。

 

司法

次に司法を見ますと、最高裁判所の長官も、内閣の指名に基づいて天皇が任命します。最高裁判所判事の任命も内閣が行い、天皇が認証を行います。現在いる長官を含めた裁判官15名は、すべて安倍内閣が指名・任命した人になってしまっています。

最高裁だけではありません。下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣でこれを任命するとなっています。

つまり、司法の任命権はほぼ安倍首相にあるということです。

立法

総理大臣は内閣、つまり行政府の長ですが、以前安倍首相はなんと3度も「私は立法府の長だ」と発言して失笑を買ったことがありました。 立法府は国会です。しかし、現在の国会は自民党の一強他弱の状態です。

法律案は、憲法56条に定める通り、衆参両院で3分の1以上の議院出席のもと、過半数が賛成すれば法律となります。もし、衆議院で可決されたのに参議院で否決された場合は、59条に定める衆議院の優越規定により、衆議院で3分の2以上の多数で再び可決されれば法律となってしまいます。

現在衆議院は自民党と公明党を合わせると314議席で、3分の2以上を占めており、なんでも与党の思いのままに法案を可決できてしまうのです。安倍氏は自民党の総裁ですから、国会でも思いのまますぎて、ついつい勘違いしてしまうのでしょうか。

現在の衆議院の会派名及び会派別所属議員数

令和元年10月1日現在
会派名 会派略称 所属議員数
自由民主党・無所属の会 自民 285(21)
立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム 立国社 120(17)
公明党 公明 29(4)
日本共産党 共産 12(3)
日本維新の会 維新 11(1)
希望の党 希望 2(0)
無所属 6(0)
欠員 0
465(46)

)内は女性議員で、内数。

戦力の不保持

これは自衛隊がある時点で誰もが認めざるを得ないでしょう。憲法の解釈を捻じ曲げまくってますね。世論を無視して成立させ2016年に施行された安全保障関連法には違憲訴訟があちこちで起こりましたが、その多くが棄却されているようです。

男女平等

男女世界経済フォーラム(WEF)による男女格差の度合いを示す「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」というのがあります。2018年版では調査対象となった149カ国のうち、日本はなんと110位という体たらくでした。(12月に発表された2019年版では日本は121位と史上最低を更新しました。(2019.12.17追記))

厚生労働省が正規雇用の女性の所定内給与額を、男性の賃金水準を100として指数化した「賃金構造基本統計調査」によると、2018年の女性の賃金は入社時点ですでに男性の86%程度の水準にとどまり、勤続年数が長くなるにつれて格差が拡大していっています。

去年2018年には、東京医科大学をはじめとした複数の医学部で、女性の受験生や浪人生に対して不正な得点操作があったことが発覚し、世間を驚かせたことは記憶に新しいと思います。

政教分離

社会の公民で学生の時習いましたね。政治と宗教は分離しなければならないことになっています。ところが現在の政権与党の公明党の支持母体が創価学会というまぎれもない宗教団体であることは誰もが認めるところです。「国家が宗教団体に政治上の権力を行使させてはならない」ということは、宗教団体を政治参加させてはならないという意味ではないと解釈されているようですが、個人的にはかなり違和感があります。ほかにも閣僚の靖国神社公式参拝とか、つい先日行われた即位に伴う儀式などもグレーゾーンのような気がしますが…。

表現の自由

今年、文化庁が、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」への交付がすでに決まっていた補助金7800万円を、慰安婦少女像などを扱った「表現の不自由展・その後」の展示内容に対する脅迫などの事態が起こることを予想できたのにそれを申告しなかったという、おかしな理由で全額不交付にしたという事件がありました。愛知県側は、火をつけるなどと脅迫を受けた側で、いわば被害者で、だれが見たってこじつけた理由に見えます。要は展示内容が気に食わなかったのでしょう。でもそれは直接は言えない。

表現の不自由展

このような補助金不交付という前例ができると、今後政権に都合の悪い展示は自粛される方向に向かうでしょう。これぞ表現の不自由の具現化ですね。

この直後、映画『宮本から君へ』でも出演者の一人のピエール瀧氏の麻薬取締法違反による逮捕を理由に助成金が取り消されました。映画『新聞記者』のブログにも書きましたが、両映画のプロデューサーが同じことが気になります。

言論の自由

今年7月の参院選で、札幌での安倍首相の演説中に「安倍やめろ」とヤジを飛ばした男性や「消費税反対」と叫んだ女性などが、北海道警に即座に取り囲まれて排除されたという事件がありました。

拡声器を使うなどして長時間演説を妨害したというのならいざ知らず、肉声で叫んだだけで排除されるなど、あってはならないことです。この男性はつい先日道警を告訴しました。言論の自由のためにも絶対に勝訴してほしいものです。

 

(追記)

権力の監視はメディアの重要な役割の一つです。

2019年6月12日にイギリスのオックスフォード大学ロイター研究所は,世界38か国、7万5,000人を対象にニュースの受け手のメディアに対する評価などを調べた2019年の「Digital News Report」を発表しました。これによるとニュースメディアの「権力の監視」の国別の評価は,アメリカ45%,イギリス42%,韓国21%で,日本は最低の17%でした。日本のメディアは権力を監視するという重要な役割を十分に果たしていないと思う人が大部分だということです。(出典:NHK文研の記事「メディアの権力監視」,日本は最低評価より)

毎日の首相動静をチェックしている人ならわかると思いますが、安倍首相とマスコミ幹部たちはしょっちゅう会食しています。

(ツイート参照)

メディア各社が権力の座に就く者と会食などして和気あいあいなれ合っていたら、権力の監視の役割などできるわけがありません。よってこれは当然の評価でしょう。

 

 

自民党の中枢にいる政治家たちの本音

信じられない映像があります。「国民主権、基本的人権、平和主義をなくそう」とか「皇室や国体が日本に一番大事」とか「国防軍を創設しよう」とか「尖閣諸島を軍事利用しよう」とか、耳を疑うような言葉がポンポン飛び出ています。こんな人たちに日本を任せていいのでしょうか。

(動画の中の表記に誤りがございます。 1:281:34の部分 (誤)内閣総理大臣補佐官 衛藤晟一は(正)元総務大臣 新藤義孝 となります。)

 

宮澤喜一元首相の言葉を紹介しておきます。

「自由はある日突然なくなるものではない。それは目立たない形で徐々に蝕(むしば)まれ、気がついたときにはすべてが失われている」

先進国

これは制度とは違うのですが、思いついたので入れておきます。

はっきり言いますが、日本はガラパゴス化が進行中です。

中国や韓国の発展の目覚ましさに比べて、日本は20年前からちっとも変っていません

例えば日本に帰ると電柱と電線の多さが相変わらずです。

海外では電線の埋設が進み、無電柱化率
ロンドン100%
パリ100%
香港100%
台北95%
ソウル46%

なのに対し、
東京7%

です。

各種証明書の発行など、韓国でオンラインで無料でできることが、日本では直接行くか郵送でしかできないアナログな仕組みのままなこともよくあります。しかもたいてい有料で高いです。

キャッシュレス化の差は歴然で、韓国人が現金をほとんど持ち歩かなくなってもう10年はたつと思いますが、日本ではいまだに現金主義の人や店も多いです。

スマホの普及も韓国の方が何年も早かったですし、飲食店や公共WiFiの普及は韓国は早くからすごいスピードで進み、公共施設や飲食店はあたりまえで、それのみならず、今では電車もバスもバス停にまで整備されて、日本とは便利さが比較になりません。

職場や学校のペーパーレス化もどんどん進んでいます。学校からは毎朝その日の給食が写真付きでアプリに送られてくるし、連絡帳もSNSです。子どもの課題提出もデジタルやネット上のこともよくあります。

駐車場や公衆トイレの空き表示なども韓国は入り口で一目瞭然になってもう何年もたちますが、日本ではまだ見かけません。

だいたいオリンピックの暑さ対策で、「打ち水」とか、「朝顔」とかが大まじめに打ち出されたりすること自体、先進国の発想とはとても言えないと思います。

以上は私の感覚ですが、国際競争力の指標を見ても日本は高くありません。

スイスのビジネススクールIMDが毎年発表している「世界競争力ランキング」では日本は25位(2018)でした。同じくIMDがIT分野に着目した「世界デジタル競争力ランキング」での順位も日本は22位(2018)でした。アメリカのCTAの「国際イノベーションスコアカード」という競争力ランキングでは日本は30位(2019)でした。

そろそろ真面目に日本人は自国の現状を正面から受け止めて見直し、私利私欲を超えた大局的な見地に立って、大きな変革を起こす時期に来ているのではないかと思います。




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