韓国の中学校の卒業式の体験レポ!国民儀礼って?大まかな流れと日本との違い
韓国の卒業式っていつ?どんな風?
日本なら春の兆しが見え始めた三月こそが卒業の季節というイメージですが、ここ韓国ではもう少し早く卒業します。
今日、韓国のある中学校の卒業式に行ってきましたのでご紹介します。
卒業式の時期に異変
韓国の新学期は3月に始まることは以前お話しました。卒業式はその前月に当たる2月に行われるのが普通でした。
ところが、最近急速に時期が早められる傾向にあるようです。
2017年度には12月、1月に卒業式を行う小、中、高等学校は23%に過ぎなかったのに、1年後の2018年度には82%と大幅に数が増えました。
私の家の近くにある中学校も、1月31日が卒業式でした。
韓国の卒業式
韓国の卒業式の内容は日本の卒業式とそれほど変わりません。
講堂や体育館で行われ、来賓が招待されていて壇上に座り、卒業生は一人ずつ前に出て卒業証書をもらいます。卒業生が来賓やら父兄やらにお辞儀をするのも同じです。校長先生や来賓の祝辞が長いのも同じです。国歌や校歌を歌うのも同じです。調べたわけではないのでわかりませんが、日本統治時代の影響が残っているのかもしれません。
送辞と答辞
でもやはり異なる国ですから、いろいろと違うところもあります。一番違っているのは、送辞と答辞がないことです。日本の式に慣れている身としては、学生の言葉が一言も聞けない卒業式は、少し味気ないなと思います。
国民儀礼
大きく異なることの二つ目は、式の初めに国民儀礼というものがあることです。日本の国旗掲揚・敬礼と似ていますが、もう少し積極的で直接的です。
これは国家に対する忠誠を確認するもので、まずトランペットと太鼓の音で華々しく始まり、途中からナレーションで、国民儀礼と呼ばれる国に対する忠誠の言葉の録音が流れるのですが、その約1分ほどの間、直立不動で右手を開いた状態で心臓に当てて国旗を見つめていなければならないのです。
具体的にはこんな風です。
「나는 자랑스러운 태극기 앞에 자유롭고 정의로운 대한민국의 무궁한 영광을 위하여 충성을 다할 것을 굳게 다짐합니다.(私は誇らしい太極旗の前に自由で義なる大韓民国の無窮なる発展のために忠誠を尽くすことを固く誓います。)」
右手がげんこつだったなら進撃の巨人のワンシーンのようです。
その後で愛国歌(韓国語の歌詞はこちらをクリック)も歌います。
学校や幼稚園、公共団体などで何か公式行事や式があるたびにこの国民儀礼と国歌斉唱は必ず行われます。外国人にこれをする義務はないと思いますが、しないとちょっと目立つかもしれません。何にしろ居心地の悪い時間です。
卒業生の将来の夢
卒業証書を授与されるとき、その学生の将来の夢がスライドで映し出されるというのは、なかなか楽しい演出だと思います。夢も多様で、大統領に始まって、インターネット講師、作家、舞踊家、警官、教師、研究者などがありました。
雰囲気
しかし日本のような厳格な雰囲気とは違って割とくつろいだ雰囲気で式は進行し、卒業証書をもらうとき校長先生と携帯で自撮りをした子までいたのには驚きました。
保護者
保護者もたくさん出席していました。両親そろってきているところも結構見受けられましたが、保護者の席は後ろにほんの少ししかなく、ほとんどの保護者は式の間中、卒業生を取り囲むように壁際に重なるようにして立っていなければなりませんでした。しかし我が子が卒業証書を授与されるときには前のほうまで行って写真をとってもとがめられることもなく、自由な雰囲気でした。一組、コスプレのような恐竜の形の服を着ている人が来て、注目を集めていました。式の最中に数人の卒業生にプレゼントらしきものを渡していました。遠くて持っていたプラカードの字がよく見えませんでしたが、自由ですね…。
日本ではどうなのでしょうか。こちらではほとんどの保護者が我が子のために花束を準備していました。校門の前でも花が売られていました。どのみち式の間には渡す時間はないのですが、式の後の記念写真にはやはり花があった方が華やかでいいということでしょうか。
履物
日本の学校に保護者が行くときはスリッパを持参しなければならず、面倒ですよね。
韓国の学校ではいつも保護者が来る行事の時は青い不織布の使い捨て靴カバーが置いてあるのでとても便利です。今日は見たらなぜか卒業生たちも靴カバー着用でした。(笑)
記念撮影
式の後は友達や先生と記念撮影をして気が済んだらばらばらと解散していきました。ん?これで帰っていいの?終わり?という感じでしたが・・・。日本はどうでしたっけね?
小学校の卒業式も大体これと同じです。
卒業した皆さん、卒業おめでとう!
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