辛くない韓国の郷土料理、羅州コムタン(ハヤンチプのナジュコムタン)
羅州コムタン(ナジュコムタン:나주곰탕)
日本ほど豊富ではありませんが、韓国にもご当地名物と言える郷土料理があります。
そのうちの一つが今日紹介する羅州コムタン(ナジュコムタン:나주곰탕)です。
韓国の南西部、全羅南道(チョルラナムド:전라남도)に羅州(ナジュ:나주)市というところがあります。
光州事件のあった光州(クヮンジュ:광주)広域市と南西の港町木浦(モッポ:목포)市の中間地点に位置します。
羅州は豊かな穀倉地帯で歴史も古く、梨の栽培でも有名です。この羅州市発祥の名物が羅州コムタンです。
羅州コムタンとは
前回紹介したプデチゲに使ったサゴルコムタンが白いスープだったことからもわかるように、韓国でコムタンというとソルロンタンのような白いスープを思い浮かべる人も多いと思います。
しかし、ナジュコムタンは白濁しておらず透明に澄んだスープが特徴です。透明でありながら十分なコクとうまみのあるスープに油気を抜いたたんぱくな牛肉が薄く食べやすい大きさに切ってたくさん入っています。その上に錦糸卵の黄色とネギの緑、少量のコチュカルの赤が鮮やかで見た目にも美しく栄養も満点です。
韓国料理というと真っ赤なスープを想像しがちですが、ナジュコムタンはほとんど辛くなく、小さい子供でも食べられます。
ハヤンチプ(白い家)の元祖羅州コムタン
羅州に行くと元祖を主張するコムタンの店が複数ありますが、元祖中の元祖が『ハヤンチプ(하얀집)』という店です。ハヤンチプとは「白い家」という意味で、その通り白い外観の店構えです。(写真手前)
1910年の創業以来4代にわたって引き継がれ、100年以上の間、羅州の人々においしいコムタンを提供し続けてきました。
ハヤンチプのコムタンは、牛のひざの骨を午後から煮だして、翌朝少し白濁したスープに牛のネック、スネ、肩バラ、頭の肉を入れて、さらに1時間30分ほど煮込んで作ります。
こうすると再びスープが澄んでくるそうで、味もさらに一段とおいしくなるということです。材料にもこだわっていて、牛肉は国産を使い、塩も3年寝かせて熟成させているそうです。
そのおいしさはメディアにこれまで取り上げられた回数の多さからも推測できます。
入り口わきの休憩スペースには所狭しとこれまでのメディア紹介記事が張られています。
コムタンの食べ方
上に書いた通りスープは先に作ってあるので注文すると驚くほどはやく運ばれてきます。付け出しはシンプルによく漬かった白菜キムチと大根のキムチのカクテギ(写真中央上)のみ。これがまたコムタンとよく合います。
食べ方に特に決まりはありませんが、ふつうは白いご飯をコムタンの中に入れて汁ご飯にしてスプーンですくって食べます。カクテギの汁をスープに少し入れると味が変わっておいしいという人もいます。
もしも味が薄ければ卓上に置いてある塩、コショウ、コチュカルなどで調節してもいいですが、私はそのままで十分おいしかったです。中に入っているお肉も骨もついておらず小さく一口サイズに切ってあるので食べるときに手を汚す必要もなく、肉があまり好きでない人にも食べやすいです。
食後のコーヒーもサービス
入り口近くにコーヒーの機械が置いてあります。これは韓国の食堂でよく見かけるサービスで食後のコーヒーをセルフで無料で飲んでいいですよという意味です。セルフなので慣れないとどのボタンを押したらいいのか少しわかりにくい場合もあります。この機械の場合は一応黄色い文字で英語表記もありますが、左上が薄めのアメリカーノ、左下が濃いめのアメリカーノ、中央下がアメリカーノ砂糖なし、右上がエスプレッソ、右下がお湯、となっています。
紙コップなのでコーヒーを持って帰ってもいいですが、こぼしやすいし、紙コップもごみになって困りますよね。そんな人のためにちゃんと入り口わきにコーヒーを飲めるように休憩スペースが設けてあります。混んでいる場合には順番待ちにも使える便利なスペースです。
ハヤンチプ(하얀집)の基本情報
メニュー
代表メニューのコムタンは9000ウォンです。日本語の表記もあって親切ですね。写真を見て初めて気づきましたが、左下にはスマートフォンの充電器までありますね!
定休日
第1、第3月曜日
営業時間
8:00~21:00
住所
전남 나주시 금성관길 6-1
地図
|
電話番号
061-333-4292
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