韓国から日本に行って感じる逆異文化ギャップ
海外在住日本人の逆カルチャーショック
海外が長くなるほど、実は日本帰国で緊張するようになってきました。
それは日本のきちんとしなければという無言の圧力によるところが強いように思います。
一方で日本ってやっぱりいいなあと思うこともあります。
今日は海外在住日本人の逆カルチャーショックについて書いてみます。
社会
集合時間
コリアンタイムという言葉があるほど、割と時間に融通の利く韓国。ビジネスの場面では時間に正確にしようという努力はちゃんとありますが、日本のように10分前集合とかはあまり聞いたことがないですし、30分前集合とかする人は多分皆無に近いのでは・・・。今は携帯電話が普及しているので、カジュアルな集まりなら気軽に「ちょっと遅れます」と送って集合、全員揃うのに20~30分くらい時間がかかるのはよくあることです。だから、日本に来ると緊張するのです。
支払い
韓国はもう10年以上前から完全なクレジットカード社会です。屋台でも小さな個人商店でも市場でもどこでもクレジットカード対応しており、数百円でも平気でクレジットカードを使います。だから、現金を持ち歩く必要はほぼ全くなく、財布に現金がほとんど入っていない人もたくさんいます。そのせいか韓国で売られている財布には小銭入れがついていないことも多いです。かくいう私も現金はほとんど持ち歩かないので、日本で現金しか使えないところが多いことにいつも驚きます。
包装
最近は少し良くなってきましたが、それでもまだ日本は過剰包装です。環境とか資源の大切さとかがこれだけ叫ばれているのに、なぜあれほど包装するのか?省ける無駄は省いていったほうがいいと思います。
ポイントカード
各店ごとにポイントが貯められるのはうれしいのですが、ポイントカードを持参しないといけないのは重いし管理も大変だし面倒です。韓国は電話番号の末尾で管理している店が多くて、ポイントカードは持参しなくても携帯電話の末尾4桁を言うとポイントをつけてくれてとても楽です。
保険証
これもポイントカード同様韓国は持参する必要がありません。日本のマイナンバーにあたる住民登録番号で管理されているので、その番号を言うだけでOKです。こうした住民登録番号やマイナンバーについては、便利な反面、漏洩した場合の危険などもあり、保険証くらいは持参してもいいかなと個人的には思いいます。
バス
韓国のバスに乗ったことがある人ならわかると思いますが、バスといえどもかなりスリリングです。最近は少し良くなったようですが、以前プサンで乗ったときは、両手吊革につかまって両足を踏ん張って立つ必要がありました。座っていても横の手すりのない座席では足を踏ん張っていないといつ椅子から投げ出されてもおかしくないほどでした。恐ろしい代わりに、当然早いです。これになれると、日本のバスは遅すぎると感じてしまうから困りものです。
テレビ
1.韓国のテレビは結構規制が厳しくて、アニメなどに出るたばこすらモザイクがかかっています。子供と一緒でも安心して見られる番組がほとんどです。一方日本のテレビはまず、ばかばかしい番組がやたら多いし、一部では子供には見せたくないようなことも平気で流していて、久しぶりにそういうのが目に入るとびっくりします。お笑いも相方をたたいたり貶めたりして笑いをとるスタイルがあって、久しぶりに見るとかなり気分が悪いです。エロ本やエロビデオが普通に書店などに並んでいることもしかりです。これ、いいのでしょうか。
2.日本は英語での放送が極端に少ないことも改めて気づきます。ハリウッド映画も吹き替えがデフォルトになっていて、すごく違和感があります。韓国では小さい子供向け映画以外はほぼ字幕です。そして、幼いころから字幕で日本のアニメ映画を見てきた若者世代の中には独学で日本語をかなり習得する子たちも多くいます。国際的な人材育成が叫ばれる昨今。こういうところから見直すのもいいのではないでしょうか。
3.チャンネル数も気になります。韓国のアパートは全体で有線放送に加入していることがほとんどのため、チャンネル数が100個くらいあります。ニュース教育、映画、スポーツ、ゴルフ、囲碁、アニメ、宗教、中国ドラマ、日本ドラマ、CNN、BBC、NHK、などなど。日本の実家に帰ると、チャンネル数少ない!その代わり、日本のテレビは録画が楽でいいですね。
駐車場
韓国で運転していて困るのは駐車場です。大抵一台分のスペースがとても狭いのです。ちょっと大きいセダンやミニバンは前後は普通にはみ出る場合も多いです。横もぎちぎちでドアの開閉も難しいです。あれは人が乗り降りすることを想定していないとしか思えません。小さな建物の地下駐車場などはさらにひどくて、知らない地下駐車場に入るのはお化け屋敷に入るより何倍も怖いです。そして、駐車スペースが足らないと、駐車場をふさぐ形で駐車することも平気で行われます。その場合ギアはニュートラルにしてサイドブレーキはかけないのが鉄則です。邪魔だったら押してどかすのです。女性でも普通のセダンなら一人で押せることを韓国で初めて知りました。だから、日本の2本線になっている駐車場は広々していてとてもうれしいです。韓国で運転できる人は、日本での運転は楽勝だと思います。
電線
韓国の私の周辺では電線の地中化がすすめられていて、電線や電柱はあまり見かけません。だから、日本に帰ると電線の多さに驚きます。電線は多いですが、日本は空が広くていいです。韓国は高層マンションが多いので、空が狭い…。
子ども連れ
日本帰省で一番気を使うのが幼い子供連れで帰ったときです。
韓国社会は子供に甘々です。子どもが泣けば居合わせた周囲(他人)があやしにかかってくれますし、少しぐらいのいたずらもやんちゃも笑って大目に見てくれます。一方で日本はご存じの通りシビアです。子育てはとても大変でストレスもたまる割に周りからも認めてもらいにくいものです。もう少し日本社会も子供や子育て中の人に寛容な社会になったらいいと思います。
坊主
日本では高校球児や小学生など、坊主頭の男の子は今でもちらほら見かけます。韓国にはまず坊主頭はいないので、見かけると日本は変わってないなぁと思います。しかし、日本の高校球児には髪を伸ばす自由はないのでしょうか。そうなら時代錯誤ではないでしょうか。
校則
日本の校則は意味不明なものも結構あって驚きます。靴下の色や柄を規制することにどれほどの意味があるのか。これで個性を伸ばせと言われても伸びようがないというもの。余談ですが韓国の靴下は面白いのがいっぱいあります。派手な色遣いのものやユニークなもの、不思議な日本語が入っているものもあります。遊び心で履いてみたら、新しい自分が見つかるかも?
弁当
日本の主婦の苦労は相当のものだろうなと思う一因がこのお弁当文化です。キャラ弁とかすごすぎます。もったいなくて食べられない。韓国ではお弁当は遠足の時ぐらいしか作る機会がありません。それも中身はキムパプ(海苔巻き)とフルーツの子が9割ではないでしょうか。幼稚園でも高校でもすべて給食があるし、職場にお弁当を持っていく文化はないので、その点では韓国の主婦は楽ですね。
スーマートフォン
韓国のスマホの普及は日本と比べ物にならないくらいに早かったです。2009年11月に韓国で初のスマートフォン(iPhone)が発売され、2年後の2011年10月にはすでに人口の40%に普及していました。2015年3月には韓国の成人のスマホ普及率が83%で世界4位になり、2018年には94%で、韓国がスマホ普及率世界一になりました。この時日本はまだ59%で21位です。私も割と早い段階にスマホに変えたので、日本に来るとガラケーの人が多くて驚いていました。便利なので友人に早くから勧めたのですが、なかなか変えてくれないのが意外でしたが、当時は日本では一般的ではなかったのですね。2019年は、韓国は95%でやはり世界一、日本は増えたとはいえまだ66%です。
wifi
スマートフォンの普及とともに韓国の公共wifiは各地に整備されてきました。もう、どこの飲食店でもフリーwifiが使えないところはないといっても過言ではないくらいです。日本はデータローミングをしないとかなり不便です。フリーwifiがあっても通信会社と契約していないと使えないものがほとんどだからです。不便・・・。
正座
日本の和室での正式な座り方、正座。しかし韓国ではこの座り方はめったにしません。女性でも胡坐をかくのが普通です。だから、もう長時間の正座は苦痛になってしまいました。韓国と間違えて胡坐をかいてしまわないように気を付けています。
人間関係
年齢の話
韓国では年齢が1歳でも上なら目上として待遇しなければならないので、お互いの年齢を早い段階で聞きあいます。最初は面倒に思えましたが慣れとはすごいもので、日本に来ると、年齢は関係なく友達になれたりするのがかえって新鮮に感じられました。
職業の話
韓国で年齢と一緒に聞くのが住んでいるところと本人や夫の職業です。ほぼ初対面でそんなことを聞くの?と最初は戸惑いましたが、これもなれたら今度は日本でそれなりに親しくなってもご主人の仕事を知らなかったりするのが不思議に感じるようになってしまいました。
政治の話
日本では政治の話は長い間タブー視されてきましたが、韓国では普通に話す話題の一つです。日本の政治の劣化が激しいのは一般市民が政治を監視することを怠っていることが大きな原因ではないかと思います。これにはマスメディアの責任もあると思います。いわゆる愚民化政策が行われているとしか思えません。
国や政府と個人
私がここまで書いてきたようなことを日本で話すと、気分を害する人が一定数います。これが最初はとても意外で理解できませんでした。よく観察すると、その人たちはどうやら日本という国や政府、政治家と、自分自身を同一視しているようです。だから、日本の制度的な問題を批判しても、自分が批判されたように感じるようです。このような感覚は韓国にはありません。だから時の政権を大胆に批判できるし、改善を要求できるのです。
意見
韓国では誰かの意見に「それは違うでしょ」という人が普通にいます。するとそこで議論が起こり、折衝案に終息したり、どちらかが改めて考えなおしたりということが起きます。ブラッシュアップされるのです。一方の日本は、なぜかリーダー的な人が言った意見にみんなが従うような雰囲気があります。
私が日本人であるが故、少々日本に辛口になってしまいました。気を悪くされる方がいたら申し訳ないです。どちらがいいとか優れているとか言いたくてこれらの違いを列挙したわけではありません。ただ、日本が韓国から来た人にどのように見えているかの一片をお伝えできればと思った次第です。
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