【韓国ニュース】自殺だった?予防接種後高校生死亡事件から思うこと
高校生死亡の真相は自殺
予防接種が死因ではなかった
前回の記事で書いたインフルエンザ予防接種後に死亡した中で突出して若かった高校生の死亡原因が昨日発表されて衝撃をうけています。
なんと自殺だったらしいのです。
なんでも、国立科学捜査研究院の解剖検査の結果、死亡した高校生の体内から致死量以上の4gもの亜硝酸ナトリウムが検出されたというのです。しかもそれが、胃から出た、つまり経口摂取したものだというのです。
亜硝酸ナトリウムは毒物ですが、ハムやウインナソーセージなどの肉加工品の発色剤や防腐剤として必須の食品添加物でもあります。
これを、本人が直接インターネットで注文して購入していた記録があるのです。
そして、彼の家から亜硝酸ナトリウムが付いたミネラルウォーターのボトルも発見されています。
遺族は信じられないと言っていますが、ここまで証拠が出てくると、ほぼ決定的でしょう。
自殺しようとしていた人が2日前にインフルエンザの予防接種を受けたことに疑問は感じますが…。
将来のある尊い命がこのような形で絶たれたことに胸が痛みます。
自殺が多い韓国
韓国は本当に自殺が多いです。
韓国では7月10日に亡くなったパク・ウォンスンソウル市長の自殺が記憶に新しいです。
韓国統計庁が去る9月22日に発表した「2019年 死亡原因統計」によると、昨年 自殺で死亡した人は1万3799人で、 一日に平均で37.8人も自殺しているということになります。2018年より129人(0.9%)増加しています。自殺は下降傾向にあったのですが、2年連続で増加に転じているので心配です。
韓国の昨年の自殺死亡率(人口10万人あたりの自殺数)は26.9人で、OECD基準で計算すると韓国の年齢標準化自殺率は24.6人でOECD加盟国中1位です。OECDの平均は11.3人ですから、2倍以上高いということです。
自殺は、10代、20代、30代の死因の1位、40代、50代では癌に次ぐ2位となっています。
内訳は、男性が9730人、女性が4069人で、男性が女性の2倍以上です。
今年はコロナの影響で1月から7月までの出生数が9.8%減少、婚姻数も9.3%減少しました。一方高齢者人口は増加しており、今年は初めて死亡者数が出生時数を上回る自然的人口減少が予想されています。
日本でも…
今年は日本の芸能界から自殺のニュースがたくさんありました。
5月23日にプロレスラーの木村花さん(享年22)が自殺、そして鷹野日南さん(享年20)が7月10日に、三浦春馬さん(享年30)が7月18日に、芦名星さん(享年36)が9月14日に、藤木孝さん(享年80)が9月20日に、竹内結子さん(享年40)が9月27日に、自殺してしまいました。
個人的には、日本を離れて久しい私でもなじみ深い三浦春馬さんや竹内結子さんの自殺が堪えました。とても残念です。
ちょうど今朝Yahooにあがっていた産経新聞のニュースでは、15~39歳の各年代の死因は自殺が最も多く、先進国では日本だけにみられる事態だと報じられています。(あら?韓国もですが…「先進国」に含まれていないからなのかな?)
日本の2019年の10~19歳の自殺者は659人で、2018年より60人増加しました。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺率も前年比0,3ポイント増の3.1で過去最悪を更新したということです。
全体では、2019年(令和元年)の自殺者数は2万169人で、自殺死亡率(人口10万人あたりの自殺数)は16人でした。(注:警察庁の自殺統計に基づく自殺死亡率)OECDの平均の11.3人よりもだいぶ多いです。
今年はコロナ禍でさらに自殺が増えているようです。
警察庁の最新統計によると、全国の自殺者数は9月に1805人と前年同月比8.6%増となり、7月から3カ月連続で増えた。
7-9月を通じて男性がほぼ前年並みだったのに対し、女性の自殺者の増加率は7月16%増、8月40%増、9月28%増と著しく多かった。厚生労働省のデータによると、小学生から高校生までの8月の自殺者数は59人と前年の28人から倍増し、自ら命を絶つ子供が増えていることも浮き彫りとなった。
(中略)
総務省の労働力調査によると、3月時点と比べて8月の就業者数は男性22万人減、女性51万人減と2倍以上の差があり、非正規雇用の約7割を占める女性の立場の脆弱(ぜいじゃく)さが露呈した。(Bloomberg2020年10月14日の記事より)
こちらの記事の中では韓国でも3月から6月の女性の自殺者が急増したことを指摘し、コロナショックによる若い女性の失業と家事育児負担の増加、社会的孤立が原因とみる韓国自殺防止センター長の意見が紹介されています。
子どもの自殺については、「ステイホーム」の結果子どもが家庭内の葛藤に追い込まれたという精神科医の指摘が紹介されています。
女性として、上記の意見には本当に共感できます。
コロナショックになってリアルに悟ったのですが、主婦の社会とのつながりは、必須ではないものばかりなのです。日本人の友人との集まりをはじめ、あらゆる社会との接点だったものがすべて自粛対象になっていってしまいました。結果として、家にひきこもってステイホームの夫や子供のご飯を3食作り続けるだけの毎日になってしまうのです。親が病気になったと聞いても日本に帰ることもできません。これだけでも憂鬱ですが、その上自分の仕事も夫の仕事もなくなった日には希望が見えません。
信仰がない人はいったいどうやってこの危機を乗り切るのでしょうか…。
社会のあり方
国によって自殺率が顕著に違うことから考えると、個人の弱さがうんぬんよりは、自殺率が高い国は、国や社会の在り方に問題があることは明らかだと思います。
経済的な問題で自殺する人がいるならば、生活保護以前の社会のセーフティーネットが脆弱だからではないか、生活保護の敷居が高過ぎはしないか、税制改正や制度改正など政治の力でできることがもっとあるのではないかと考えてみるべきです。人間関係に悩んで自殺する人がいるならば、人々のかかわり方や考え方、組織の在り方に目に見えない圧力がかかっていたり逃げ道や別の選択肢が選べるような自由さが足りないのではないかと考えてみるべきです。そして、もっと自由闊達な議論ができる成熟した社会をつくっていくべきです。
日本ではおしゃべりは当たり障りのない話題に終始する傾向がありますが、あれはよくないと思います。もっと一人一人が社会に目を向けて、社会をよくするための意見を出し合える雰囲気が必要です。テレビによる愚民化政策と思われるミスリードは全く害でしかありません。
今日も国会で菅首相が「自助・共助・公助」などと宣っていましたが、そんなことを言って困っている国民への助けを出し惜しむ政府など何の意味があるのでしょうか。
生きるか死ぬかで頑張って耐えている人たちがいっぱいいるのに、「10万円給付、その分だけ個人の貯金に回っただけだった」などと偉そうに言う麻生財務大臣に怒りが殺到したのは当然のことです。(J-castニュース2020年10月28日の記事参照)税金は国民のものだし、議員も大臣も官僚もみんな公僕です。
ちょっと最近不満がたまっていたので今日は書きすぎてしまいました。失礼しました。
「自分で勝手に、自分の未来を決めてしまわないでください。こんな未来しか待っていないなどと、わかったような顔をしないでください。神の書かれるシナリオと、あなたの書かれるシナリオとは異なるのです」(245頁)
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