韓国の春を告げる花は?ケナリ、チンダルレ、モンニョン、ポッコッ
3月。日本よりも韓国は少し寒いので、まだ上着は必要ですが、すっかり春らしい陽気の日が多くなってきました。それでもきょうなどは春の嵐と言えるほど強風が吹き荒れていました。日本と近いせいかいろいろな気候に似通ったところがある韓国。
春と言えば日本では桜が真っ先に思いつくと思います。韓国ではどうでしょうか。
韓国の春の花
黄色い花、ケナリ(レンギョウ)
韓国では桜に先んじて春になったらあちらこちらで咲き誇る黄色い花があります。
木の背丈は1~3mほどでそれほど高くはなりませんが、葉が出る前に2~3cmほどの細かい花が半つる性の枝いっぱいに一斉に咲くので一帯がまっ黄色になります。この花こそ、ケナリ(개나리)と呼ばれる韓国の春を代表する花です。ケナリは日本語ではレンギョウ、中でも朝鮮半島原産のものを朝鮮レンギョウと言います。3月の今頃がちょうど見頃です。
このケナリに負けじと競って咲く花があります。それは、韓国語でチンダルレ(진달래)とモンニョン(목련)です。
山に咲くピンクの花、チンダルレ(カラムラサキツツジ)
チンダルレ(진달래)は日本語ではカラムラサキツツジと呼ぶようですが、あまり一般的ではないですね。ゲンカイツツジがこの変種だそうです。韓国では山の斜面の岩肌に自生しているのを見かけます。これも葉が出る前に紫がかったピンクの花が咲きます。この花は食用にもでき、ジョンの上にのせて焼いたものをファジョンと言います。
大輪の白い花、たまに紫、モンニョン(コブシ、モクレン)
モンニョン(목련)は日本語ではコブシやモクレンと呼ばれている花です。コブシやモクレンも葉が出る前に花が咲く点はケナリと同じです。
背が高く花が大きいのでその白や、ときに紫の花が遠くからもよく見えます。咲いているときはとてもきれいなのですが、花弁がすぐに傷んで茶色くなるのが玉に瑕です。
すこし白っぽい桜、ポッコッ(サクラ)
韓国にももちろん桜の花は咲きますし、それなりに愛されてもいます。韓国でもあちこちにある桜の名所には屋台も出て人がたくさん集まります。でも日本と違うのは、桜を眺めながら木の下を歩くだけで、集まって飲み食いしたりはあまりしないことでしょうか。
韓国語では桜はポッコッ(벚꽃)といいます。韓国の桜は、日本の桜より白く見えます。私の記憶では花びらも細めだと思います。
韓国の桜祭り:2019.4.1~4.10 진해군항제(チネグナンジェ:鎮海軍港祭)(慶尚南道昌原市)(韓国語公式ホームページ行事案内)
ピンクや白のチョルチュク(クロフネツツジ)
桜よりも少し遅れて咲くチンダルレにとてもよく似た花がチョルチュク(철쭉)です。日本語ではクロフネツツジといいます。こちらは花と葉がほぼ同時に出てきます。葉には産毛が生えています。毒性があり、食べられません。
ピンクや白のヨンサンホン(サツキ)
もう少し遅く咲く花にヨンサンホン(영산홍)というのもあります。日本語でサツキです。これは花はチンダルレやチョルチュクと似ていますが、花びらに斑点がありません。また、雄蕊の数がチンダルレやチョルチュクよりも少なく、5本から6本です。こちらも食べられません。
このチンダルレとチョルチュクとヨンサンホンは本当によく似ていて、私はずっと区別がつきませんでした。韓国人に聞いても韓国人でも知らない人が多いようでかなり的外れな答えが返って来たりするので注意が必要です。
私:「チンダルレとチョルチュクとヨンサンホンて、よく似ていますよね。どうやって見分けるんですか?」
韓国人:「チンダルレは食べられるけれど、チョルチュクやヨンサンホンは毒があって食べられないんですよ。」
私:「・・・そうですか。」
(それだけ?食べてみないとわからないじゃない!!しかもはずれたらおなか壊すし!!)
というやり取りが、今まで2,3回はありました。毒は重要ですけど、肝心の見分け方については何も言っていないというね…。
こちらに書いた見分け方は、去年テレビのニュースで紹介していたものです。花の見分け方がテレビのニュースになるっていうのも平和でほほえましいですよね。
これからこれらの花がどんどん咲き始めるいい季節ですね。短い韓国の春を存分に楽しめるよう、大気汚染のないきれいな空気の日が続くことを祈ります。
永登浦 汝矣島ソウルの春の花まつり(영등포 여의도 봄꽃축제)情報
開催日程:2019年4月5日~4月11日
場所:永登浦 (ヨンドゥンポ)汝矣島(ヨイド)
内容:ミュージシャンによる公演、のど自慢大会、ヴィアフェスティバル(VIAF)、キャラクターパレード、花馬車など。
【おすすめの記事】
コーヒーベルトとは?美味しいコーヒーのできる場所、コーヒーノキの栽培地域
【コーヒー豆の品種】ティピカ?ブルボンとは?アラビカ種からの派生種